2020年の日台交流 日台の絆はコロナに負けず

 今年も残すところ2日となりました。明後日には令和3年(2021年)の新しい年を迎えます。今年は武漢肺炎こと新型コロナウイルス感染症に振り回された1年で、本会にとっては7月30日に李登輝元総統が亡くなられたことが大きな衝撃をもたらしました。

 武漢肺炎により、日本でも約23万人が感染し、3,300人以上の方々が亡くなられました。本会でも、3月に予定していた理事会や総会を開くことができず、他の催しも2月以降は開催できませんでした。7月からようやく本部主催の「台湾セミナー」を再開しましたが、まだまだ会場は定員を半分くらいに制限する中での開催でした。全国の28支部でも総会や講演会が開きにくく、活動はかなり制限される状態が続いています。

 そのような中にあっても、日本と台湾の交流は、人的往来こそないもののしっかり続いています。日台の絆はコロナに負けることはなかったと断言していいかと思います。

 年末恒例となりました今年1年の日台交流について下記にご紹介します。ただ、台湾からは台湾政府をはじめロータリークラブやライオンズクラブなどを通じ、コロナ対策用としてたくさんのマスクや防護服などを贈っていただきましたが、一覧ではその一部しか紹介していません。また、都道府県議会では台湾の世界保険機関(WHO)の年次総会(WHA)へのオブザーバー参加を求める意見書が数多く可決されましたが、これも一部のみの掲載となっていることをお断りします。

 また、2013年以降の日台間の鉄道提携には目覚ましいものがあります。今年は3件のみの提携でしたが、よくぞこのコロナ禍の中で結んでいただいたと感謝しつつ、41件に及ぶ鉄道提携を最初から別掲でご紹介します。

 今年1年、皆様には本当にお世話になりご支援に感謝申し上げます。来年が皆様にとりまして素晴らしい年となりますようご祈念申し上げます。

—————————————————————————————–2020年の日台交流

01月06日 いすゞ自動車と台中市が「投資戦略提携協定」を締結。01月11日 台湾総統選挙で民進党の蔡英文・頼清徳候補が817万231票(57.1%)で圧勝。民進党も61議席(中国国     民党は38議席)を獲得。01月11日 茂木敏充・外務大臣が蔡英文氏に祝意を表す談話を日本語と英語で発出。01月14日 菅義偉・内閣官房長官が「日台間の協力と交流のさらなる深化を図っていきたい」と表明。01月16日 鳥取県の若桜駅と新竹県の内湾駅が「姉妹駅協定」を締結。01月18日 新東名高速道路の清水パーキングエリアと台中市・清水サービスエリアが同名の誼で「姉妹提携協定」     を締結。01月28日 渡辺利夫本会会長が「戸籍問題」の解決を求め法務大臣に17度目の要望書と署名を送達。02月01日 熊本で芝山巌事件に斃れた「平井数馬先生」没後125年式典を斎行。02月04日 富山県の氷見市立博物館と高雄市立歴史博物館が「友好協定」を締結。02月08日 李登輝元総統が牛乳の誤飲で検査入院。02月22日 石川県日台親善協会が発足。02月24日 NHKが台湾外交部や全日本台湾連合会の抗議を受け入れ特設サイト掲示名を修正。02月25日 台湾の交通部観光局と台湾観光協会が2019年の往来者数は日本から台湾が216万7,952人で約20万人増え、     台湾から日本は491万1,681人で約15万人増と発表。03月02日 厚生労働省が全日本台湾連合会や在日台湾同郷会などの抗議を受けて台湾を中国の一部とするホームペー     ジ地図を削除。03月05日 謝長廷・駐日台湾代表が毎日新聞に「ウイルスは国籍も人も選ばない」を寄稿。03月10日 防災科学技術研究所と国家災害防救科技中心が「防災協力に関する5カ年協定」を締結。03月14日 日台関係の緊密化を進める議員有志の会が「日台関係基本法」制定を求め決議採択。03月28日 国境封鎖のペルーから日本人旅行者29人が台湾の手配によるチャーター機に搭乗して出国。04月01日 ロックダウンのインドから日本手配の日航機で邦人と12人の台湾人が出国。04月20日 姉妹都市の石垣市に宜蘭県蘇澳鎮からマスクやメッセージカードが寄贈。04月21日 台湾日本関係協会から日本台湾交流協会にマスク200万枚が寄贈。04月29日 令和2年春の叙勲で台湾から林碧[火召]氏が旭日重光章を受章。04月29日 日本、米国、台湾が武漢肺炎をめぐる偽情報への取り組みをテーマにテレビ電話会議「グローバル協力訓     練枠組み」を実施。05月01日 日台友好和歌山市議会議員連盟に届いた高雄市医師公会からの防護服300着とフェイスシールド600個が和     歌山市に寄贈。05月11日 NHKが台湾のWHO年次総会参加について「排除しないよう求めたい」と表明。05月14日 台湾が輸入を禁止している5県(福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県)産食品(酒類を除く)について、     台湾の衛生福利部食品薬物管理署が国立台湾大学に委託して実施したサンプル検査の結果、放射線物質ストロ     ンチウム90は検出されなかったと公表。05月16日 NHKが日台共同制作ドラマ「路〜台湾エクスプレス」放送。05月20日 蔡英文氏の総統就任式に菅義偉・内閣官房長官が祝意を表し「台湾はわが国にとって基本的な価値観を共有し、     緊密な経済関係と人的往来を有する重要なパートナーであり、大切な友人。台湾との関係を非政府間の実務関     係としている立場を踏まえ、日台間の協力と交流のさらなる深化を図っていく」と表明。05月20日 秋田県横手市が台湾の大同大学などとオンラインで「国際的産学官連携協定」を締結。05月28日 みずほ銀行と台湾の政府機関「台湾科学技術部南部科学工業園区管理局」と豪覓管理顧問股[イ分]有限公司の     3者間で「台湾のスタートアップ企業への成長支援にかかわる覚書」を締結。05月末  台湾政府が防護服5万着を日本に寄贈。06月12日 高輝度光科学研究センターと理化学研究所が台湾の国家放射光研究センターとオンラインで「SPring-8」(ス     プリング・エイト)における台湾ビームライン契約更新のための覚書」に調印。07月02日 渡辺会長が「戸籍問題」の解決を求め森まさこ法務大臣に要望書と署名を送達。07月30日 李登輝元総統が逝去。08月01日 林建良氏らが桃園空港を「李登輝空港」への改称を提唱し署名活動を開始。08月09日 安倍総理名代の森喜朗元総理が弔問団長として訪台し台北賓館にて李登輝元総統のご遺影に献花。09月19日 淡水の真理大学大礼拝堂において故李登輝元総統の国葬に当たる追悼告別礼拝が斎行。09月25日 九州大学と台湾教育部が「台湾スタディーズ・プロジェクト」更新覚書を締結。10月07日 李登輝元総統の埋葬式が五指山軍人墓地(國軍示範公墓)にて斎行。10月07日 日本李登輝友の会が産経新聞に450名13法人が賛同し「李登輝先生追悼特別企画」を掲載。10月13日 北海道名寄市と台湾の国立中山大学西湾学院が「国際交流に関する覚書」を締結。10月26日 石川県加賀市で全国日台友好議員協議会が主催する「第6回日台交流サミットin加賀」が開かれ「日台交流基本     法の早急な制定」を採択。11月02日 今年6月4日に発足し、日本からは中谷元衆議院議員(自民党)と山尾志桜里衆議院議員(国民民主党)が参加す     る「対中政策に関する列国議会連盟」(IPAC)が全ての会議、メカニズムそして活動に台湾を参加させるようW     HOに呼びかける声明を発表。11月03日 秋の叙勲で台湾から謝牧謙氏(台湾大学・文化大学日本研究センター諮問委員)、劉耀祖氏(池上一郎博士文庫     研究学会理事長)、丘如華氏(社団法人台湾歴史資源経理学会秘書長)の3人が受章。11月04日 伊豆長岡駅と礁溪駅、多賀大社前駅と萬華駅が「姉妹駅」締結。11月04日 超党派の国会議員でつくる「日華議員懇談会」(古屋圭司会長)がWHO事務局や関係各国への働きかけ強化を     求める要望書を外務省と厚生労働省に提出。11月23日 宮城県栗原市と南投市が「姉妹都市」を締結。12月01日 外務省が「令和2年度外務大臣表彰」の受賞者を発表、寶覺禪寺の林善超氏と台北市立動物園が受賞。12月05日 富山県氷見市と高雄市鼓山区が「友好交流都市協定」を締結。12月14日 和歌山市議会が「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(CPTTP)台湾参加を支持す     る意見書を可決。12月19日 志賀哲太郎顕彰会が熊本県益城町にて李登輝元総統らが賛同し安倍晋三・前総理揮毫の顕彰碑除幕式を挙行。

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