10月16日、佐賀県嬉野(うれしの)市と嘉義県竹崎郷が「友好交流協定」を締結しました。
嬉野市といえば、嬉野温泉でも有名ですが、ご存じ「うれしの茶」の一大産地。
一方の嘉義県竹崎郷は阿里山森林鉄路の拠点駅の奮起湖駅があり、「奮起湖弁当」発祥の地として有名ですが、台湾で知られている阿里山珠露茶という商標登録のお茶の産地。
双方ともお茶の産地であるところから、台北駐福岡弁事処の陳銘俊・総領事が仲介し、「お茶を中心とした友好交流協定」を締結することになりました。
調印式は、嬉野市役所での歓迎会や市内視察後、うれしの茶交流館チャオシルにおいて行われ、嬉野市の村上大祐(むらかみ・だいすけ)市長と竹崎郷の曾亮哲・郷長が臨み、陳総領事や嬉野市議会の森田明彦・副議長らが立ち会ったそうです。
驚いたことに、これまで佐賀県では台湾の自治体と都市間提携を結んだ自治体はなく、嬉野市が初めてです(本会調査)。
今年は、2月の埼玉県本庄市が埼玉県初の日台都市間提携を結びましたので、同じ年に埼玉県と佐賀県が日台都市間提携にデビューという嬉しい年になりました。
一方の嘉義県は、新港郷が2017年10月に岐阜県飛騨市と「友好都市協定」を結んでおり、今回の竹崎郷がそれに次いでいます(本会調査)。
ちなみに、陳銘俊・台北駐福岡弁事処総領事は2021年10月の着任以来、積極的に日台間の都市間提携に力を入れ、その仲介により、管轄する九州と山口県において台湾の自治体と都市間協定を結んだ自治体は21自治体にものぼっています。
この嬉野市と竹崎郷の「友好交流協定」は、今年10件目の日台都市間協定となります。
また、1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結からは176件(本会調査)となりました。
◆2025年の日台都市間提携1)02月13日 本庄市が台南市と「友好交流協定」締結2)03月13日 宇土市、宇城市、美里町と台南市が「友好交流協定」を締結3)05月26日 北海道平取町と花蓮県萬栄郷が「友好交流協定」を締結4)06月10日 北海道むかわ町と台南市左鎮区が「友好交流協定」を締結5)06月25日 群馬県沼田市と南投県県魚池郷が「交流に関する覚書」を締結6)07月01日 北九州市と高雄市が「都市間の連携強化に関する協定」を締結7)07月04日 大分県日出町と新竹市が「友好交流協定覚書」を締結8)07月15日 北海道余市郡仁木町と花蓮県鳳林鎮が「友好交流協定覚書」を締結9)08月07日 宮城県名取市・岩沼市と桃園市が「交流促進協定覚書」を締結10)10月16日 佐賀県嬉野市と嘉義県竹崎郷が「友好交流協定」を締結
南部・嘉義県竹崎郷と日本の佐賀県嬉野市が姉妹都市協定を締結【台湾国際放送:2025年10月17日】https://www.rti.org.tw/jp/news?uid=3&pid=170409
日本の福岡にある台湾の駐在機関、台北駐大阪経済文化弁事処福岡分処の積極的な仲介により、台湾南部・嘉義県竹崎郷と日本の佐賀県嬉野市は16日、嬉野市で友好交流協定を締結しました。
今後は観光、芸術、教育、文化など幅広い分野で協力を進め、相互理解と交流を深めていく方針です。
締結式には、竹崎郷の曾亮哲・郷長が行政チームを率いて出席し、嬉野市の村上大祐市長および関係者が温かく迎えました。
また、佐賀県議会日台友好促進議員連盟の石井秀夫会長、鹿島市の松尾勝利市長、太良町の代表者、そして台北駐大阪経済文化弁事処福岡分処の陳銘俊・処長(総領事)らが出席しました。
締結式に出席した陳・処長は、竹崎郷が阿里山の山麓に位置し、台湾全土で知られる観光地を擁していることを紹介。
阿里山森林鉄道沿線の名所である奮起湖や全国最長の吊り橋「弘景橋」、大凍山国家森林遊歩道などがその代表であり、台湾のコンビニでも販売されている「奮起湖弁当」の発祥地でもあると述べました。
一方、嬉野市は日本三大美肌の湯の一つとして知られる「嬉野温泉」を有し、長い歴史を持つ人気の観光地で、国内外から多くの観光客が訪れています。
また陳・処長は、自身の就任以来、台湾と九州各地との姉妹都市協定が大幅に増加していることを説明。
鹿児島県では当初の2組から10組以上に、熊本県でも同様に増加し、これまで台湾との協定がなかった長崎県でも2組が正式に締結されたと述べました。
さらに、山口、大分、宮崎、福岡などでも協定締結が拡大しており、2025年だけでも台湾最南端・屏東県の九如郷と鹿児島県の東串良町、台湾南部・高雄市と北九州市、台南市の安南区と熊本県甲佐町の3組が締結し、年内にはさらに少なくとも4組が予定されていると紹介しました。
陳・処長は、今回の竹崎郷と嬉野市の協定は、佐賀県として初めての正式な協定であり、嘉義県にとっても初の姉妹都市協定の締結となると述べました。
そのうえで、「今後も多くの都市間協定を通じて交流と学びの機会を創出し、台湾と日本の絆をより一層深めていきたい」と期待を示しました。
(編集:呂学臨/本村大資)。
※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。