【質問】7回目 6月15日送信
大学入試センター 殿
質 問 状
7度目の質問状を送らせていただきます渡邊裕一と申します。6回目の質問状に対しての回答を拝受いたしましたところ、これまで貴センターがこだわっているかに見受けられた「17点中10点、該当する教科書の採択率では約8割」という数値に、あまり大きな意味が無いことが分かりましたので、もう一度質問をさせていただきます。
6回目の質問状に対する回答では、貴センターは「一概に何割以上という基準を設定しているわけではありません」とのことで、単に「できるだけ多くの教科書に記載されている事項から出題するよう配慮してい」ると書かれています。また、第1回目の回答で「高等学校の段階における基礎的な学習の達成の程度を判定することを主たる目的」として、「試験の問題は、「高等学校学習指導要領」に準拠している教科書を基礎として、出題」していると書かれています。第2回目の回答では「高等学校の教科書を基礎として、大学・高校の関係者の協力を得て作成しております」と書かれています。
以上の事柄を総合しますと、貴センターでは、教科書を参考としつつ、学習指導要領に則って、専門家の意見も踏まえながら、受験生たちが確実に正誤の判断が付く内容を出題される方針だと表明されているのだと思います。その方針は当然でありまして、高く評価するものであります。
ところが、2010年センター試験の現代社会問1の選択肢に含まれております、外国人参政権に関する内容は、一部の高校教科書に記載されている内容・表現が、平成7年2月28日の第3小法廷判決において、平成5年(行ツ)第163号に対して出された理由(2)に基づくものとして適切なのかどうかで議論百出となっておりますように、物議を醸している部分に当たります。つまりは、受験生たちにとって確実に正誤の判断が付く内容ではありません。全く、外国人参政権に関して触れていない教科書や、両論併記をしているような教科書もある状況です。
そのように曖昧で、学説が分かれている内容が、受験生たちの人生を左右することになる大学入試センター試験で出題されてしまったという事実を、貴センターとしてはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。センター試験で正当だと公認された学説に従わない受験生の人生は、何の価値もないと言って切り捨てる方針なのでしょうか。これは、中立であるべき独立行政法人大学入試センターの在り方として、大きな問題を孕んでいるものであります。
以上の点を鑑みた上で、受験生への公平を期すために、2010年センター試験の現代社会問1については、BもCも共に正解とするか、正答が導き出されない悪問であったとして全ての受験生に点数を与えるよう、判断されるべきであると思います。ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
貴センターは、「17点中10点、該当する教科書の採択率では約8割」という数値に大きな意味がなかったことを、第6回目の質問状に対する回答ではお認めになった訳であります。それならば、当方からの質問により真正面から向かい合った上で、第1回から第6回までの質問状の内容も踏まえて、社会的に疑念がわかない回答をお送りいただけるよう期待しております。
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