【質問】1回目 1月30日送信
大学入試センター 殿
質 問 状
2010年1月16日(土)に実施された『現代社会』の問題について質問させていただきます。
第1問の問3において、「下線部cに関連して、日本における参政権に関する記述として適当でないものを、次の@〜Cのうちから一つ選べ。」という問題が出されています。下線部cとは「投票資格」とありますので、「投票資格に関連して、日本における参政権に関する記述として適当でないものを、次の@〜Cのうちから一つ選べ。」という問題ということになります。
これに対して、選択肢は4つありまして、@は選挙権が満20歳以上ということで「適当」、Aは被選挙権が衆議院で満25歳、参議院で満30歳ということで「適当」と判断できます。また、Cは衆議院における重複立候補に関する問いで「適当でない」と判断できます。しかし、下に述べるようにBの問は極めて曖昧であり、BとCはどちらか一方を「適当でない」と判断することは不可能です。
Bには、「最高裁判所は、外国人のうちの永住者等に対して、地方選挙の選挙権を法律で付与することは、憲法上禁止されていないとしている。」と書かれています。平成7年2月28日の第3小法廷判決において、平成5年(行ツ)第163号に対して出された理由(2)に基づくものだと思われます。
しかし、同主文は地方参政権を求める原告の訴えを退けるものであり、現憲法下において外国人参政権を禁じている現状は何ら問題ないとするものでした。判例において重要なのは当然の如く主文でありますが、第1問の問3では、最高裁判所が主文において先例法理となるように外国人参政権を認めたのか否か、という問であると読み取ることも可能です。
仮に、問題が「最も適当でないもの」を問うていたのであれば、Cのみが解答であるということは可能でしょうが、「適当でないもの」を問うている今回の場合には、BもCもともに正答となるべきだと思われます。ご検討ください。
また、外国人参政権をめぐる問題は、政治的な場において現在進行形で議論が行われている問題です。政治的に中立であるべき独立行政法人大学入試センターにおいて、政治的に一方に偏った問題が出題された経緯をご説明ください。独立行政法人大学入試センターが、一部出題者の、政治的なパフォーマンスの場として利用されてしまったことについて、センターとしての見解をお聞かせください。
以上
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