このほど、熊本県菊池市と台南市東区が昨年11月11日に「友好交流協定」を締結していたことが判明しました。
地元紙の「熊本日日新聞」が11月14日にネットの有料版で報じていましたが、全国紙に掲載されなかったため気がつきませんでした。
菊池市も締結結果を発表したのは、締結から約1ヵ月半後の年を越した今年1月6日のことでした。
菊池市によりますと「台南市議会議員と民間の方との交流がきっかけで台南市議会が菊池市と交流を進めることとなり、締結先となった台南市東区から友好交流の依頼」があり、9月に東区とオンラインでの意見交換会、10月に黄炳元・区長や台南市議などが菊池市を訪問、11月10日に菊池市の江頭実(えがしら・みのる)市長や音光寺以章(おんこうじ・いしょう)教育長、後藤英夫(ごとう・ひでお)市議などが東区を訪問したそうです。
なんと、翌11月11日には台南市の趙卿惠・副市長が立会い、江頭市長と黄区長が「友好交流協定」を締結したそうです。
オンラインによる初の意見交換から2カ月というスピード締結でした。
よほど相性がよかったのかもしれませんし、双方の首長が不安感を払拭し、提携に期待するように間をつないだ台南市議と民間の方の仲介ぶりがよかったのかもしれません。
今後は連携を深めながら、学生の交流や特産品のマーケティングなどを進めていくそうです。
すでに2月には台南市議や台南市民間会社の方など8人が菊池市を訪れ、菊池女子高等学校との留学に関する意見交換会、物産の販売に関する意見交換会、部活動交流に関する意見交換会などを行ったそうで、これまた素早い交流のスタートを切ったとのことです。
本紙の昨年12月19日号で、12月17日に静岡県の沼津市が高雄市と「観光交流促進協定」を締結したことで「今年に入って新たに結ばれた提携数も22件。
遂にこれまで年間最多だった2017年の22件に並んだ」とお伝えしましたが、昨年は菊池市と台南市東区の「友好交流協定」締結で年間23件となりました。
1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結以来、年間23件は最多となります。
改めて、昨年の日台の自治体による友好交流協定などの都市間提携を下記にご紹介します。
23件中、九州勢が8件。
やはりTSMC(台湾積体電路製造)効果はここにも表れています。
注目は茨城県です。
茨城県は台湾との交流に県を挙げて取り組んでおり、これまで土浦市と笠間市が2023年に結んだ2件だけでしたが、年間3件はこれまでの最多となります。
◆2024年の日台都市間提携
1)1月22日 鹿児島県と屏東県が「青少年や芸術・文化、観光、経済などの分野で交流を促進するMOU」を締結
2)1月31日 鹿児島県伊佐市と台湾の花蓮市が「友好交流協定」を締結
3)2月27日 熊本市と高雄市が「スタートアップ関連での交流促進覚書」を締結
4)2月27日 熊本県小国町と台北市士林区が「友好交流協力に関する覚書」を締結
5)4月15日 熊本県上天草市と新北市瑞芳区が「友好交流協定」締結
6)4月29日 長崎県平戸市と台南市が「友好交流協定」を締結
7)5月06日 茨城県那珂市と台南市が「友好交流協定」を締結
8)6月20日 北海道雨竜郡沼田町と花蓮県瑞穂郷が「友好交流協定」を締結
9)6月26日 大分県九重町と花蓮県豊浜郷が「連携・協力に関する覚書」を締結
10)8月19日 北海道茅部郡森町と彰化市が「友好交流協定」を締結
11)8月28日 北海道富良野市と台南市が「友好交流協定」を締結
12)10月1日 北海道美唄市と花蓮県富里郷が「友好交流協定」を締結
13)10月5日 秋田県秋田市と台南市が「交流協力に関する合意書」を締結
14)10月11日 愛媛県松山市と台北市が「友好交流都市協定」を締結
15)10月18日 茨城県小美玉市と新北市淡水区が「友好交流覚書」を締結
16)10月22日 愛媛県砥部町と新北市鶯歌区が「交流促進に関する覚書」締結
17)11月06日 沖縄県宮古島市と屏東県牡丹郷が「交流協定に関する覚書」を締結
18)11月11日 熊本県菊池市と台南市東区が「友好交流協定」を締結
19)11月13日 和歌山県和歌山市と高雄市が「交流促進に関する覚書」を締結
20)11月15日 北海道の利尻富士町と利尻町が屏東県琉球郷と「友好協定」を締結
21)11月22日 茨城県水戸市と台南市が「友好交流都市」を締結
22)12月16日 青森県、むつ市と高雄市が「国際交流促進覚書」を締結
23)12月18日 沼津市と高雄市が「観光交流促進協定」を締結。
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