松山市と台北市は、松山駅や松山空港など同じ「松山」の名を冠していることなどが縁で、2009年ころから交流していた。
松山市の道後温泉と北投温泉は2011年11月に「温泉友好交流協定」を締結し、2013年10月にはJR四国の松山駅と台湾鉄路管理局の松山駅が「姉妹駅」を結んだ。
このような交流が拍車をかけるかたちで、2014年10月13日に松山市と台北市は「友好交流協定」を締結している。
10年前の10月13日は松山市に台風が近づいており、13日早朝には暴風・波浪警報が発せられ、災害警戒本部が設置された。
その日に行われた調印式だった。
11月半ばには市長選も控えているときだった。
それから10年。
松山市は当時の野志克仁(のし・かつひと)市長が4期目をつとめる。
台北市は●龍斌、柯文哲の2人の市長を経て蒋萬安市長となった。
(●=都の左が赤)
当時、1期目のときに台北市と「友好交流協定」を結んだ野志市長は、去る10月11日に台北市を訪れ、蒋萬安市長と「友好交流都市協定」を締結した。
この協定は、これまでの協定をバージョンアップし、青年者交流やスタートアップの技術、環境のサステナビリティやSDGsなどの分野で交流をさらに深めることなどを盛り込んだという。
都市間提携の内容をバージョンアップすることはめったにないことだが、10年を経てバージョンアップするというのはほとんど例がないのではないだろうか。
それだけ交流が続いている証でもあるが、首長の熱意にかかっていると言っても過言ではない。
日本と台湾の双方が交流に熱心な首長でないとできないことだ。
今回の場合は、野志市長が長く市長職に留まっていたことが要因だろう。
その点からも、松山市と台北市の「友好交流協定」から「友好交流都市協定」へのバージョンアップ締結を心からお祝いするとともに、下記にテレビ愛媛の映像ニュースをご紹介したい。
今回の松山市と台北市の「友好交流都市協定」は、10月5日の秋田市と台南市の「交流協力に関する合意書」に続く日台の都市間提携で、今年14件目。
本来なら、1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結からは145件目(本会調査)となるが、2014年10月の「友好交流協定」のバージョンアップなので、提携数は変わらず144件。
ちなみに、今年に入って結ばれた14件は下記の通り。
1)1月22日 鹿児島県と屏東県が「青少年や芸術・文化、観光、経済などの分野で交流を促進するMOU」を締結2)1月31日 鹿児島県伊佐市と台湾の花蓮市が「友好交流協定」を締結3)2月27日 熊本市と高雄市が「スタートアップ関連での交流促進覚書」を締結4)2月27日 熊本県小国町と台北市士林区が「友好交流協力に関する覚書」を締結5)4月15日 熊本県上天草市と新北市瑞芳区が「友好交流協定」締結6)4月29日 長崎県平戸市と台南市が「友好交流協定」を締結7)5月06日 茨城県那珂市と台南市が「友好交流協定」を締結8)6月20日 北海道雨竜郡沼田町と花蓮県瑞穂郷が「友好交流協定」を締結9)6月26日 大分県九重町と花蓮県豊浜郷が「連携・協力に関する覚書」を締結10)8月19日 北海道茅部郡森町と彰化市が「友好交流協定」を締結11)8月28日 北海道富良野市と台南市が「友好交流協定」を締結12)10月1日 北海道美唄市と花蓮県富里郷が「友好交流協定」を締結13)10月5日 秋田県秋田市と台南市が「交流協力に関する合意書」を締結14)10月11日 愛媛県松山市と台北市が「友好交流都市協定」を締結
【お詫びと訂正】本誌10月6日号で、秋田市と台南市が「交流協力に関する合意書」締結は今年に入って12件としましたが、6月26日に大分県九重町と花蓮県豊浜郷が「連携・協力に関する覚書」を締結していたことが洩れていました。
お詫びして訂正します。
松山市と台北市が交流10周年 さらに深化へ新たに協定結ぶ 台湾で「松山フェア」開催【テレビ愛媛:2024年10月16日】https://www.ebc.co.jp/news/data/?sn=EBC2024101618179
空港に同じ「松山」の名前があることがきっかけ。
愛媛県松山市と台湾・台北市の「友好交流協定」が10周年を迎え、野志市長が台北市を訪れて、さらなる交流を盛り込んだ「都市協定」を11日に結びました。
調印式では台北市の蒋万安市長が「両市の交流を20年、30年と続けていきたい」と語り、野志市長もこの10年の交流に感謝の言葉を述べました。
野志克仁市長: 「この10年の道のりというのは、決して松山市役所単独では成しえなかったもので、多くの皆さまとともに歩んでまいりました。
深く感謝申し上げます」
それぞれ市長は新たに「友好都市協定協定書」へサインして、更なる交流を確認しました。
今回結んだ協定は、松山市と台北市の「都市」同士の結びつきをさらに深めるもの。
若者の交流やSDGsの交流なども盛り込まれています。
野志市長は訪問団の一員として訪れていて翌日に台北市立大学へ。
今回の都市協定締結にあわせて愛媛大学と台北市立大学の間でも協定を結びました。
この協定により大学同士の学生間の交流も更に深まることになります。
また台北市内では「松山フェア」も開催。
松山城のパネルの前で鎧かぶとを試着して写真を撮るなどして、道後温泉や松山城などの観光スポットをアピールしました。
松山〜台北便は今年3月に4年ぶりに運航を再開。
9割近い搭乗率を維持していて、10月27日から週3往復に増便される予定です。
観光やビジネスなど様々な交流が進むことが期待されています。
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