本誌でもお伝えしてきたように、日本の地方議会が次々と台湾の世界保険機関(WHO)の年次総会へのオブザーバー参加を求める意見書を可決しています。
これまで神戸市や山口県、宮城県、大分県、名古屋市などで可決していますが、9月定例会の最終日の10月6日、山梨県議会は本会議において全会一位で可決し、WHOへの働き掛けを強化するよう日本政府に求めています。下記に可決された「意見書」をご紹介します。
◆山梨県議会:可決された意見書・決議(令和2年9月定例会) https://www.pref.yamanashi.jp/gikaisom/r02_9ikensho.html
—————————————————————————————–議第19号
台湾の世界保健機関(WHO)への参加を求める意見書
台湾と我が国は、観光や経済活動など、様々な分野でつながりがあり、本県にとっても、極めて重要なパートナーである。
このため、本県議会においては、平成26年6月に、「山梨県日台国際交流促進議員懇話会」を設立し、相互理解と信頼を深め、観光や農業分野を通じて、交流の促進を図るとともに、平成30年7月には、「山梨県議会・高雄市議会友好交流に係る覚書」を締結し、地域間の交流を通して日台間の絆を深め、一層緊密な友好関係の推進に取り組んできた。
これまで、県議会独自による台湾訪問や、知事トップセールスに合わせたプロモーション活動等を展開することにより、台湾は本県との間において、令和元年の県内延べ宿泊者数は約23万6千人、モモ、ブドウを中心とした県産果実の令和元年度輸出額は約2億6千万円と重要な市場となっており、今後も、さらなる経済・人的交流の拡大が期待されている。
このような中、新型コロナウイルスの感染拡大は、感染症の脅威を世界中に知らしめているが、感染症対策には、国際協調が不可欠であり、世界保健機関(以下「WHO」という。)が果たすべき役割は大きい。また、感染症の世界的流行に対峙していくためには、公衆衛生危機対応を網羅的に充実・強化することが強く求められ、防疫に係る地理的空白が生じることがあってはならない。
しかしながら、台湾は、平成21年以降WHO年次総会へオブザーバーで参加し、保健衛生分野において国際貢献をしてきたにもかかわらず、平成29年より参加がかなわない状況にあり、国際的な公衆衛生・防疫体制を構築する上で、地理的空白が生じている。
また、WHO憲章は、「人種、宗教、政治信条や経済的、社会的条件によって差別されることなく、最高水準の健康に恵まれることは、あらゆる人々にとっての基本的人権のひとつ」と掲げており、新型コロナウイルスの封じ込めに成功し、保健衛生分野での豊富な知見と経験を有する台湾のWHO参加が妨げられてはならない。
よって、国においては、台湾のWHOへの参加に向け、台湾の参加を支持している関係各国と連携し、WHOに対する働きかけを強化するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和2年10月6日
山梨県議会議長 山田一功
提 出 先
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 外務大臣 厚生労働大臣 内閣官房長官
提 出 者 山梨県議会議員 皆川 巖 浅川 力三 望月 勝 河西 敏郎 白壁 賢一 久保田 松幸 桜本 広樹 土橋 亨 古屋 雅夫
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