日華議員懇談会や「対中政策に関する列国議会連盟」が台湾のWHA参加を支持

 11月9日から14日に開催予定の世界保険機関(WHO)年次総会(WHA)への台湾のオブザーバー参加に向け、超党派の国会議員でつくる「日華議員懇談会」(古屋圭司会長)は11月4日、WHO事務局や関係各国への働きかけ強化を求める要望書を外務省と厚生労働省に提出した。

 また、今年6月4日に発足し、日本からは中谷元衆議院議員(自民党)と山尾志桜里衆議院議員(国民民主党)が参加する「対中政策に関する列国議会連盟」(IPAC:(Inter-Parliamentary Alliance on China)も11月2日、全ての会議、メカニズムそして活動に台湾を参加させるようWHOに呼びかける声明を発表した。

 「対中政策に関する列国議会連盟」は、民主主義国家の国会議員が協力し、国際規範や世界の安全、人権を尊重するよう中国に要求することを趣旨とする組織で、日本や米国、オーストラリアなど18カ国と欧州議会の議員計170人余りで結成される。

 中央通信社は「対中政策に関する列国議会連盟」の声明について伝えるとともに、「アフリカでも、各国の親台派議員グループのプラットフォーム『フォルモサクラブ』に呼応する29カ国の国会議員計181人が同クラブのアフリカ支部を結成。リモート方式で3日に行われた発足大会で、WHOを含む国際機関への台湾の参加を支持する姿勢を明らかにした」と伝えている。

 日本は米国とともに2002年から、台湾のWHO)年次総会(WHA)へのオブザーバー参加を支持している。

 また、全国の地方議員でつくる「全国日台友好議員協議会」(藤田和秀会長)は昨年9月の第5回「2019日台交流サミットin 富山」における富山宣言で、台湾が世界保健機関(WHO)、国際民間航空機関(ICAO)、アジア太平洋地域における経済連携協定(CPTPP)などの国際組織等へ参加することへの支持を表明し、今年10月に加賀市で開催の第6回「2020日台交流サミットin 加賀」でも、日台交流基本法の早期制定に加え、台湾が世界保健機関(WHO)、国際民間航空機関(ICAO)、アジア太平洋地域における経済連携協定(CPTPP)などの国際組織等へ参加することへの支持を表明している。

 さらに、「台湾のWHO参加を求める意見書」に関しては、これまで下記の地方議会が可決している(本会会調べ)。・兵庫県議会(3月25日)・神戸市議会(3月26日)・山形市議会(6月26日)・宮城県議会(7月6日)・名古屋市会(7月6日)・山口県議会(7月10日)・山梨県議会(10月6日)

◆対中政策に関する列国議会連盟の声明:2020年11月2日 Statement on Taiwan’s participation in the World Health Assembly and World Health Organization

◆対中政策に関する列国議会連盟(IPAC) https://ipac.global/

—————————————————————————————–「台湾のWHO参加を支持」国際議連が相次いで表明 外交部が感謝【中央通信社:2020年11月4日】

 (台北中央社)民主主義諸国の議員らでつくる「対中政策に関する列国議会連盟」(IPAC)が世界保健機関(WHO)に台湾を受け入れるよう求める声明を発表したのを受け、外交部(外務省)は3日、国際的な影響力を持つ同連盟が具体的な行動で台湾を支持してくれたとして「心からの感謝」を表明した。

 IPACは、理念の近い各国議員が協力し合って、国際規範や世界の安全、人権を尊重するよう中国に要求することを趣旨とする組織で、日本や米国、オーストラリアなど18カ国と欧州議会の議員計170人余りで結成される。日本からは中谷元衆議院議員(自民党)と山尾志桜里衆議院議員(国民民主党)が参加している。

 声明は2日に発表された。台湾が新型コロナウイルスの抑え込みに成功し、最近では、海外渡航歴がない人の新規感染が200日連続ゼロを記録したと言及。ウイルスによる経済発展や人々の生活様式への衝撃も小さく、他国政府や国民の手本となり得るとした上で、WHOのテドロス事務局長に対し、自身が打ち出した「誰もが安全になるまで誰も安全ではない」という目標に台湾が漏れてはならないと呼び掛けている。

 一方アフリカでも、各国の親台派議員グループのプラットフォーム「フォルモサクラブ」に呼応する29カ国の国会議員計181人が同クラブのアフリカ支部を結成。リモート方式で3日に行われた発足大会で、WHOを含む国際機関への台湾の参加を支持する姿勢を明らかにした。

 外交部は同日、報道資料を通じ、参加者が台湾の民主主義を称賛し、共に世界の自由と民主主義を守る姿勢を示したことを歓迎し、感謝するとともに、実質的な友好関係深化とより堅実なパートナーシップ構築に期待を寄せた。

 今年5月に行われた第73回WHO年次総会は、コロナの影響を受けてオンライン方式が採用されたため、11月9日から14日までの日程で再度開催される予定となっている。

(陳韻聿、游凱翔/編集:塚越西穂)

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