米国上院が台湾のWHOオブザーバー資格回復法案を可決

 世界的に台湾の存在が注目される中、米国連邦議会の上院は8月6日、台湾が世界保健機関(WHO)のオブザーバー資格を回復できるよう後押しする法案を全会一致で可決したという。

 下記の中央通信社によれば「米下院外交委員会でも同月、ほぼ同様の内容の法案が可決されている」というから、今後、下院案を上院案に改めて下院でも全会一致で可決されるなら、バイデン大統領の署名を経なくても成立する。全会一致でなく、賛成多数で可決されるならば、バイデン大統領が署名することで成立する。

 すでに今年5月の先進7カ国(G7)外相会合の共同声明で、台湾の世界保健機関(WHO)総会オブザーバー参加支持を表明し、これまで米国で制定された「台湾旅行法」(2018年3月)や「アジア再保証イニシアチブ(促進)法」(2018年12月)、香港人権・民主主義法(2019年10月)、台北法「台湾同盟国際保護強化イニシアチブ2019年法」(2020年3月)などは上院・下院が全会一致で可決していることから、この台湾のWHOオブザーバー資格回復法案も可決される可能性が高い。今後の行方に注目したい。

—————————————————————————————–台湾のWHOオブザーバー資格回復を支持 米上院が法案可決【中央通信社:2021年8月6日】

 (ワシントン中央社)台湾の世界保健機関(WHO)参加を巡り、米上院は6日、台湾がオブザーバー資格を回復できるよう後押しする戦略の制定を米政府に求める法案を全会一致で可決した。法案では「感染症に国境はない」と強調し、世界の健康課題に関する協調において台湾を不必要に除外することはパンデミックによる危険性を増大させるだけだと訴えた。

 法案は民主党のロバート・メネンデス上院外交委員長から今年3月に提出された。米下院外交委員会でも同月、ほぼ同様の内容の法案が可決されている。上院版の法案が下院でも可決されれば、バイデン大統領の署名を経て成立する。

 台湾は2009年から2016年まで、オブザーバーとしてWHO総会に参加していたが、2017年以降は中国の反対により、招かれていない。

(徐薇?/編集:名切千絵)

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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