したばかりの宮元陸(みやもと・りく)市長だ。
今年の4月と5月に台南市と高雄市に足を運び、頼清徳・台南市長と姉妹都市提携で合意し、陳
菊・高雄市長とは同市と観光交流都市協定、高雄市鼓山(こざん)区と友好都市協定を結ぶことで
合意してきている。後は市議会の同意を取り付けるだけだ。
宮元市長は、6月2日からはじまった市議会(6月定例会)の初日、台南市や高雄市との姉妹都市
提携について、以下のような所信を表明している。
<次に、国際都市交流について、申し上げます。
平成25年に加賀市に宿泊した外国人観光客は約29,000人と、過去最高となっております。
特に、台湾からの観光客は約2万人と、全体の7割を占めており、今後も増加が見込まれております。
このような状況の中、本年4月、5月の2回にわたり、台湾の台南市及び高雄市を訪問し、積極的
に都市提携について協議を進めてまいりました。
その結果、台南市とは「姉妹都市」として、高雄市とは「観光交流都市」として、また、高雄市
鼓山区とは「友好交流都市」として、それぞれ都市提携を結ぶことで合意に至っております。
これが実現すれば、県内の自治体では初めての台湾の都市との提携となります。
今議会におきましては、これら三都市との都市提携関連の議案を提出させていただいております。
この一連の都市提携を契機として、今後は、行政主体の交流事業だけではなく、観光、商工業、
芸術文化等様々な分野での民間交流につながるものと期待しております。
そのため、7月に予定しております調印式には、市議会をはじめ、観光協会、商工会議所等の
方々を含む訪問団を編成して臨みたいと考えております。>
所信で表明しているように、宮元市長はこの6月定例会に「市長提出議案」として、下記の3議案
を提出している。
・議案第102号:姉妹都市の提携について
台湾台南市と相互の理解と友愛を深めるため、姉妹都市の提携を行うもの。
・議案第103号:観光交流都市の提携について
台湾高雄市と観光分野を中心とした交流を通じ、相互の理解と友好を深めるため、観光交流都市
の提携を行うもの。
・議案第104号:友好交流都市の提携について
台湾高雄市鼓山区と相互の理解と友好を深めるため、友好交流都市の提携を行うもの。
宮元市長の構想は、市議会、観光協会、商工会議所など加賀市が一丸となって、石川県初となる
台湾との都市提携を結ぶことにある。未だ烏山頭ダムを造った八田與一の生まれ故郷の金沢市でさ
え、台湾の自治体とは都市提携を結んでいない。石川県下の自治体に与える影響は小さくないだろう。
7月にこの3つの都市提携が成立すれば、日台間の自治体によるが姉妹都市提携などは一気に33例
と増える。