世耕弘成・参議院幹事長が12月26日から訪台

 経済産業省大臣などを歴任した自民党・清和政策研究会(通称:安倍派)に所属する世耕弘成(せこう・ひろしげ)参議院幹事長が12月26日から28日にかけて台湾を訪問する。12月10日の萩生田光一・自民党政調会長に続く大物議員の訪台であり、世耕議員にとっては2010年10月に安倍晋三・元総理などと訪台して以来だという。

 世耕議員と言えば、東日本大震災後の1周年追悼式典で台湾代表を2階席に座らせ指名献花にも参加させなかった件で、当時の野田内閣を国会質問で追及し、野田首相から「行き届いてなかったことを深く反省をしたい」という答弁を引き出したことを思い出す人もいるかもしれない。

 今回の訪台は「安全保障関連3文書改定の経緯と考え方を台湾の要路に伝える」ことが主な目的だという。また、五指山軍人墓地の李登輝元総統の墓参や、高雄市にある紅毛港保安堂が建立した安倍晋三・元総理の銅像も訪れる予定だという。

 今回の訪台を萩生田議員の二番煎じと揶揄する見方もあるようだが、日台関係は政局ではない。日本の安全保障関連3文書改定の経緯と考え方を蔡英文総統はじめ台湾要路に直接伝え、日台で安保対話を深めることは重要だ。

 今年は、米国をはじめフランス、ドイツ、イギリス、オーストラリア、リトアニア、フィンランド、ポーランドなどから国会議員が入れ代わり立ち代り台湾を訪問している。もっとも近い日本、それも日台関係を強化しようとした安倍元総理の遺志を体して総理候補と言われる議員が訪台することは、日本から台湾への重要なメッセージであり、中国への抑止としても働く。ましてや、日台要人同士による直接対話は人と人との絆を深める。この絆が日台の未来を明るいものにする。

 総理候補と言われる日本の議員は全員訪台し、日本にとって重要な台湾が日本に何を望んでいるかを直に確認して日台関係の深化につなげていただきたいものだ。

—————————————————————————————–自民・世耕氏、26日から台湾訪問 外交部「心から歓迎」【中央通信社:2022年12月23日】https://japan.focustaiwan.tw/politics/202212230009

 (台北中央社)外交部(外務省)は23日、自民党の世耕弘成参院幹事長ら安倍派の参院議員12人が26日から台湾を訪問するとして、心から歓迎すると発表した。

 同部によると、一行は蔡英文(さいえいぶん)総統や頼清徳(らいせいとく)副総統、蘇貞昌(そていしょう)行政院長(首相)、游錫●(ゆうしゃくこん)立法院長(国会議長)、呉?燮(ごしょうしょう)外交部長(外相)らと面会し、台日間の重要な議題について意見交換するという。(●=方方の下に土)

 また北部・新北市にある李登輝(りとうき)元総統の墓や、南部・高雄市の廟(びょう)で安倍晋三元首相の銅像が置かれた紅毛港保安堂を訪れる予定だとした。

 同部は世耕氏らの訪台について、具体的な行動で台湾への支持を示しており、長きにわたる台日の固い友情の表れだと強調。台日間の実質的な友好協力関係が必ず深まるだろうとコメントした。

(編集:齊藤啓介)

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