萩生田政調会長が訪台「日台関係を新たな次元に押し上げていく」と言明

 日本李登輝友の会の3年ぶりとなる「役員・支部長訪台団」(団長:辻井正房・副会長、副団長:梅原克彦・常務理事)の帰国と入れ違いに12月10日、自民党の萩生田光一・政務調査会長が台湾を訪問しました。

 政調会長としては2003年の麻生太郎氏以来19年ぶりとなり、萩生田政調会長は安倍派(清和政策研究会)に所属し、経済産業省大臣などを歴任し、安倍晋三・元総理の最有力後継者と目されていることから、台湾側の受け入れも訪台初日に蔡英文・総統と会談するなど最高度の受け入れ態勢だったようです。

 萩生田政調会長は11日、日本台湾交流協会台北事務所などが主催して圓山大飯店で開かれた台日関係強化に向けた「持続可能な日台関係構築フォーラム」(台日関係永続論壇)において安全保障をテーマに講演し、中央通信社は「台湾海峡の平和と安定の維持は『自由で開かれたインド太平洋における最大の試金石』になると指摘。地域の安全のため、台湾や米国との連携に向け注力していく姿勢を見せた」と伝えています。

 萩生田政調会長はまた、フォーラム開催前に五指山軍人墓地にある李登輝・元総統のお墓にお参りし、付き添った李安[女尼]・李登輝基金会董事長は「李登輝氏の墓参りは今年7月に死去した安倍晋三元首相の生前の願いだったと話していた」ことを明らかにしています。萩生田政調会長自身も講演の中で墓参したことについて「李・元総統に台湾と日本は最も信頼関係の強い国同士。双方の友情は今後もさらに揺るぎないものになると報告した」(台湾国際放送)と述べたそうです。

 下記に、フォーラムについての中央通信社の記事を紹介するとともに、本会の李登輝元総統墓参について李登輝基金会がホームページで掲載していますので併せてご紹介します。

◆李登輝基金会:2022年12月8日 日本李登輝之友會前往五指山省墓[12月9日] http://presidentlee.tw/2022%e5%b9%b412%e6%9c%888%e6%97%a5-%e6%97%a5%e6%9c%ac%e6%9d%8e%e7%99%bb%e8%bc%9d%e4%b9%8b%e5%8f%8b%e6%9c%83%e5%89%8d%e5%be%80%e4%ba%94%e6%8c%87%e5%b1%b1%e7%9c%81%e5%a2%93/

—————————————————————————————–台湾海峡の平和は「インド太平洋で最大の試金石」=自民・萩生田氏【中央通信社:2022年12月11日】https://japan.focustaiwan.tw/politics/202212110001

 (台北中央社)台湾を訪問中の自民党の萩生田光一政調会長は11日、台北市内で開かれた台日関係強化に向けたフォーラムで講演した。「力の行使による一方的な現状変更は決してあってはならない」と訴え、台湾海峡の平和と安定の維持は「自由で開かれたインド太平洋における最大の試金石」になると指摘。地域の安全のため、台湾や米国との連携に向け注力していく姿勢を見せた。

 萩生田氏は、震災や新型コロナウイルス禍で日本と台湾が支え合ってきたことに言及。日台間で培われた友情を「次の50年、100年に向かって一層力強く発展させていく」とし、パートナーシップを「新たな次元へと押し上げていく」と語った。

 経済面での連携については、半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)の新工場建設が熊本県で進んでいることなどに触れ、半導体を含めた先端技術全般において日台間の連携をさらに深化させていくことに期待を寄せた。経済政策と安全保障政策は一体不可分だとし、自由貿易を推進していく方針を示した上で、台湾の環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を支持すると述べた。

 また、ロシアによるウクライナ侵攻について「アジアにおいても決して対岸の火事ではない」と言明。今年8月、中国が台湾周辺で大規模な軍事演習を実施し、発射した弾道ミサイルのうち5発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したことに言及し、安倍晋三元首相が唱えた「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事である」という言葉の正しさを「中国自身がその行動によって証明した」とした。

 台日間だけでなく、米国との連携も必要だとの考えを示した。安倍氏が掲げた自由で開かれたインド太平洋を「50年、100年先の子孫にまで引き継いでいくために日本と米国、台湾はこれからも堅く手を携えていく」とし、日本がリーダーシップを発揮していくと語った。

(游凱翔/編集:楊千慧)

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