ハーバード大学などの大学生60人が台湾大学で語学研修

 米国のハーバード大学が中国語海外研修プログラムの大学提携先を中国の北京語言大学から台湾の国立台湾大学へ変更すると発表したのは2021年10月12日。台湾大学もその日、2022年夏、ハーバード大学の学生60人を受け入れ、8週間の語学研修を実施すると明らかにした。

 当時、その理由について「近年、北京語言大が非友好的な態度を取るようになり、宿舎や教室の手配などで適切な対応が受けられなかったり、学生の行動が制限され」「習近平政権が発足してから中国当局の米機関に対する姿勢が変わったことと関係がある」(中央通信社)と報じられた。

 ただ、新型コロナウイルスのため昨年は実施できず、本年6月18日から語学研修が始まったという。

 ハーバード大学が中国語海外研修プログラムの大学提携先を台湾大学に変更したことを本誌2021年10月13日号で伝えた際、「現在の垂秀夫・中国大使は、外務省入省後、中国の南京大学にも留学しているが、日本台湾交流協会台北事務所に2度勤務した後、2020年から中国大使として赴任している。今後、外務省も中国語研修を中国から台湾に変更し、日本台湾交流協会台北事務所に勤めてから中国に派遣することを本気で検討してみたらどうだろう」と記したが、その思いは変わらない。

 変わらないどころか、高校生の大学進学先として、近年、台湾の大学へ進むケースが急増している現状を見れば、台湾で台湾華語学び、台湾のことを知ってから中国を知ればよいという思いは深くなるばかりだ。

—————————————————————————————–ハーバード大生ら約60人が台湾大に 短期語学研修、北京の大学から乗り換え【中央通信社:2023年6月20日】https://japan.focustaiwan.tw/culture/202306200001

(台北中央社)台湾大学国際事務処は19日、米ハーバード大との提携で実施する短期語学研修が始まったと明らかにした。ハーバード大など米国の大学生約60人が華語(中国語)を学ぶ他、台湾の学生との交流や文化体験、各地への訪問などを通じ台湾への理解を深める。

 ハーバード大は従来、中国の北京語言大に学生を派遣していた。だが、学生の行動が制限されるようになったなどとして、2020年から提携先を台湾大に変更。新型コロナウイルスの影響で延期となり、今年初めて実施された。

 研修は18日に始まった。ハーバード大以外に、イェール大、コーネル大、ペンシルベニア大などの学生が参加しているという。

 語学の授業に加え、景勝地や歴史建築の見学なども予定している。「社会調査ウイーク」と題した活動では中部や南部、東部を訪れ、テーマ別のフィールドワークを行い、台湾の社会や文化に対する見識を広める。

 台湾大は、短期のプログラムで米国の学生たちの語学能力を高める一方、台湾の学生たちも米大学生との交流で国際的な視野を養えると指摘。今回の語学研修によって、双方間のさらなる提携につながればと期待を寄せた。

(許秩維/編集:楊千慧)

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