ハーバード大学が来年から、中国語研修をこれまでの北京語言大学から台湾大学に変更するという。理由は「近年、北京語言大が非友好的な態度を取るようになり、宿舎や教室の手配などで適切な対応が受けられなかったり、学生の行動が制限されたりした。ハーバード大の教授は、習近平政権が発足してから中国当局の米機関に対する姿勢が変わった」(中央通信社)からだという。
とてもいいことだ。日本の大学もぜひ見習って欲しいものだ。
2005年5月から2008年7月まで日本台湾交流協会台北事務所の代表をつとめた、1939年生まれの池田維(いけだ・ただし)氏は、チャイナスクール出身と言われていた。
外務省に入ってからの中国語研修は台湾大学だった。池田氏は台北事務所に赴任したとき「懐かしい台湾に帰ってきた」という思いだったそうで、「チャイナスクール出身と言われても、僕は台湾で研修したからね」と述べていたことを思い出す。
現在の垂秀夫・中国大使は、外務省入省後、中国の南京大学にも留学しているが、日本台湾交流協会台北事務所に2度も勤務した後、2020年から中国大使として赴任している。今後、外務省も中国語研修を中国から台湾に変更し、日本台湾交流協会台北事務所に勤めてから中国に派遣することを本気で検討してみたらどうだろうか。
—————————————————————————————–米ハーバード大、華語教育で台湾大と提携へ 北京語言大から変更【中央通信社:2021年10月13日】https://japan.cna.com.tw/news/asoc/202110130003.aspx
(北京、台北中央社)台湾大は来夏、華語(中国語)を学ぶ米ハーバード大の学生60人を受け入れ、8週間の語学研修を実施する。台湾大が12日、明らかにした。台湾大の自由な学風の下、ハーバード大の学生たちにしっかりとした語学の基盤を築いてもらいたいとしている。
ハーバード大の学内新聞によると、これまでは北京語言大に毎夏、学生を派遣していたが、近年、北京語言大が非友好的な態度を取るようになり、宿舎や教室の手配などで適切な対応が受けられなかったり、学生の行動が制限されたりした。ハーバード大の教授は、習近平政権が発足してから中国当局の米機関に対する姿勢が変わったことと関係があると指摘。来夏から提携先を台湾大に変更することにしたという。
台湾の潘文忠(はんぶんちゅう)教育部長(教育相)は13日、報道陣に対し、ハーバード大が台湾大と提携することを歓迎すると表明。学問の自由が保障された民主国家として、華語教育に貢献していきたいとの姿勢を示した。
台湾大によれば、具体的なカリキュラムはまだ計画中だが、九?や故宮博物院、士林夜市などを訪れる他、書道や切り絵、餃子作りなどの文化体験も予定しているという。
(許秩維、陳至中/編集:楊千慧)
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