12月17日、静岡県の沼津市が高雄市と「観光交流促進協定」を締結した。
締結のきっかけは、沼津市出身の技師で、台湾総督府鉄道部所属の技師だった飯田豊二(いいだ・とよじ)監督の下に高雄市と屏東県の間に架かる下淡水渓鉄橋(高屏渓旧鉄橋)建設されたことだったという。
この架橋工事は阿[糸侯]線(現在の屏東線)の中でも難工事中の難工事といわれ、工事期間中に何度も豪雨や増水に見舞われた。
飯田自身も病に倒れ、竣工を前に亡くなっているが、歿して半年後の1913年(大正2年)12月に完成した。
九曲堂駅の横には飯田豊二記念碑が建立されている。
この提携により、1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結からは152件(本会調査)となり、今年に入って新たに結ばれた提携数も22件。
遂にこれまで年間最多だった2017年の22件に並んだ。
◆2024年の日台都市間提携
1)1月22日 鹿児島県と屏東県が「青少年や芸術・文化、観光、経済などの分野で交流を促進するMOU」を締結
2)1月31日 鹿児島県伊佐市と台湾の花蓮市が「友好交流協定」を締結
3)2月27日 熊本市と高雄市が「スタートアップ関連での交流促進覚書」を締結
4)2月27日 熊本県小国町と台北市士林区が「友好交流協力に関する覚書」を締結
5)4月15日 熊本県上天草市と新北市瑞芳区が「友好交流協定」締結
6)4月29日 長崎県平戸市と台南市が「友好交流協定」を締結
7)5月06日 茨城県那珂市と台南市が「友好交流協定」を締結
8)6月20日 北海道雨竜郡沼田町と花蓮県瑞穂郷が「友好交流協定」を締結
9)6月26日 大分県九重町と花蓮県豊浜郷が「連携・協力に関する覚書」を締結
10)8月19日 北海道茅部郡森町と彰化市が「友好交流協定」を締結
11)8月28日 北海道富良野市と台南市が「友好交流協定」を締結
12)10月1日 北海道美唄市と花蓮県富里郷が「友好交流協定」を締結
13)10月5日 秋田県秋田市と台南市が「交流協力に関する合意書」を締結
14)10月11日 愛媛県松山市と台北市が「友好交流都市協定」を締結
15)10月18日 茨城県小美玉市と新北市淡水区が「友好交流覚書」を締結
16)10月22日 愛媛県砥部町と新北市鶯歌区が「交流促進に関する覚書」締結
17)11月06日 沖縄県宮古島市と屏東県牡丹郷が「交流協定に関する覚書」を締結
18)11月13日 和歌山県和歌山市と高雄市が「交流促進に関する覚書」を締結
19)11月15日 北海道の利尻富士町と利尻町が屏東県琉球郷と「友好協定」を締結
20)11月22日 茨城県水戸市と台南市が「友好交流都市」を締結
21)12月16日 青森県、むつ市と高雄市が「国際交流促進覚書」を締結
22)12月18日 沼津市と高雄市が「観光交流促進協定」を締結
静岡・沼津市長、陳高雄市長と面会 観光交流促進協定を締結
【中央通信社:2024年12月18日】
https://japan.focustaiwan.tw/society/202412180008
(高雄中央社)南部・高雄市の陳其邁(ちんきまい)市長は17日、同市政府を訪問した静岡県沼津市の頼重秀一市長と面会した。
両市は観光交流促進協定を締結した。
高雄市が18日に発表した報道資料によれば、両市の縁は高雄市と屏東県の間に架かる下淡水渓鉄橋(高屏渓旧鉄橋)が日本統治時代に沼津市出身の技師、飯田豊二の監督の下で建設されたことにさかのぼる。
橋は1913(大正2)年に完成。
87年まで鉄道橋として使用され、現在は国定古跡として管理されている。
陳氏は今年の「沼津夏まつり」で台湾に関する企画が行われたことに感謝を表明。
下淡水渓鉄橋の歴史に関する展示もあり、高雄と沼津を結ぶ物語を多くの日本人に知ってもらえたことだろうと話した。
また今後、両市が連携して観光交流をさらに促進することに期待を寄せた。
頼重氏は、沼津市として高雄との古くからのつながりを重視しているとした上で、今回の訪問や協定締結を通じて、双方の協力をさらに深めていきたいとの考えを示した。
(蔡孟[女予]/編集:田中宏樹)。
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