【祝】 台湾において今年も「天皇陛下御誕生日祝賀レセプション」を開催

2月26日、台湾において今年も「天皇陛下御誕生日祝賀レセプション」が開催された。

昨年は、日本台湾交流協会台北事務所代表に就任した片山和之(かたやま・かずゆき)代表が初めて臨む天皇誕生日祝賀レセプションをもお祝いするように、蔡英文・総統と頼清徳・副総統のお二人が初めて出席。

総統と副総統がそろって出席したのは初めてのことだった。

今年は、頼総統の出席はなかったものの、蕭美琴・副総統や韓国瑜・立法院長、蘇嘉全・台湾日本関係協会会長、顧立雄・国防部長など、台湾政府の要人ばかりでなく、朱立倫・中国国民党主席や黄国昌・台湾民衆党主席なども顔を見せたそうだ。

台湾での「天皇誕生日祝賀レセプション」はいつから再開されたのかと言えば、1972年の国交断絶から31年後の2003年12月12日だった。

当時の内田勝久(うちだ・かつひさ)交流協会台北事務所長の英断による。

内田所長は、どうして台湾で天皇誕生日祝賀レセプションを開くようになったのかについて、『大丈夫か、日台関係─『台湾大使』の本音録』(2006年5月、産経新聞出版)で詳しく記している。

米国やイギリスもナショナル・デーを祝って台湾でレセプションを開いているのに、なぜ日本は開かないのだろうと不思議に思っていたそうだ。

そこで、外務省に問い合わせるとすんなり了承されて開催したのだったが、問題は中国にあった。

中国は「二つの中国を認めるものだ」「日中共同声明に反する」と烈火のごとく怒り「断固受け入れられない。

即刻、中止すべきだ」として、外務省にかなり強い圧力をかけてきたそうだ。

世界各国は、その国にとってもっとも記念すべき大切な日として「ナショナル・デー」を定めている、米国は独立記念日(7月4日)、英国は国王誕生日(6月第3土曜日)、ドイツはドイツ統一の日(10月3日)などだが、日本は天皇誕生日をナショナル・デーと定めている。

各国の在外公館は年に1度、その国の要人を招いてナショナル・デーを祝う盛大な式典を開催している。

台湾でも、米国在台湾協会や英国在台事務所など各国公館でもナショナル・デーのレセプションを開いていた。

中国はなぜ日本にだけ中止を求めてきたのか、これまたおかしな話だが、今般の戸籍問題でも中国は「台湾問題は純粋に中国の内政問題であり、外国の干渉を許さない。

日本に対し、台湾問題で余計なことをするのをやめ、矛盾かつ誤ったメッセージを発信しないよう強く求める」と強く反発してクレームをつけてきた。

しかし、鈴木馨祐(すずき・けいすけ)法務大臣は2月18日の中国の記者会見で「日本内政上の判断であり、お答えする必要はない」といなした。

内田所長は退任後、本会のインタビューに「米国やイギリスもナショナル・デーを祝って台湾でレセプションを開いているのに、中国はどうして日本だけに文句を言ってくるのかよく分かりませんね」と笑いながら話していた。

内田所長以降の歴代代表(池田維、齋藤正樹、今井正、樽井澄夫、沼田幹男、泉裕泰)は開催の意義を受け止め、粛々と天皇誕生日祝賀レセプションを開き続けてきた。

片山代表もそれに続く。

中国はその後も開催するたびに外務省にクレームをつけてきたものの、いまは形ばかりになっているという。


令和6年度天皇誕生日祝賀レセプション
【日本台湾交流協会:2025年3月4日】
https://www.koryu.or.jp/news/?itemid=4298&dispmid=5287

2月26日、令和6年度「天皇誕生日祝賀レセプション」が台北市内のホテルにおいて盛大に開催されました。

レセプションには蕭美琴副総統をはじめ、日台の関係者約650名が出席し、天皇陛下のお誕生日をお祝いしました。

片山和之代表の挨拶
https://www.koryu.or.jp/Portals/0/taipei/2025/03/0303-2/2025_reception_jp.pdf

【御参加賜った主な賓客の皆様】
蕭美琴・副総統、韓国瑜・立法院長、蘇嘉全・台湾日本関係協会会長、呉[金リ]燮・国家安全会議秘書長、陳時中・行政院政務委員、楊珍[女尼]・行政院政務委員、顧立雄・国防部長、陳崇樹・国家通訊傳播委員会代理主任委員、蕭宗煌・国立故宮博物院院長、李鴻鈞・監察院副院長、呂秀蓮・前副総統、王金平・前立法院長、姚嘉文・前考試院長、朱立倫・中国国民党主席、黄国昌・台湾民衆党主席

【ブース出展いただいた地方自治体の皆様】(50音順)
石川県、茨城県笠間市、沖縄県、静岡県、鳥取県、福島県、山口県美弥市

【ブース出展いただいた企業の皆様】(50音順)
秋田銀行、台湾キリンビール、PILOT、久光製薬、理研ビタミン


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