流協定」に調印したことをお伝えしたが、大澤知事は台中市の後で高雄市を訪問して陳菊
市長と会談した。
すると、すでに八王子市と友好交流協定を結び、この11月1日には長野県と「教育・観光
協定」を結んだばかりの陳菊市長は、群馬県との友好協定を持ちかけたという。中央通信
社の記事を下記に紹介したい。
本誌で何度も紹介しているように、群馬県は台湾と縁が深い。日本統治時代に最後の日
本人台南市長を務め、台南の文化遺産を守り抜いて台南の人々から尊敬される羽鳥又男
(はとり・またお)、「台湾紅茶の父」と慕われる新井耕吉郎(あらい・こうきちろ
う)、台湾の風土病撲滅に多大な功績を残し台湾ツツガムシ病を発見した医学博士の羽鳥
重郎(はとり・じゅうろう)、台湾いろはかるたをつくった須田清基(すだ・せいき)、
基隆に台湾最初の「基隆夜学校」や私立図書館「石坂文庫」を創設して「基隆の聖人」と
か「台湾図書館の父」と呼ばれる石坂荘作(いしざか・そうさく)など、台湾近代化に力
を尽くした錚々たる人物を輩出している。
台湾少年工が戦闘機の「隼」「鍾馗」「疾風」などの生産に携わった東洋一を誇った中
島飛行機工場も、現在の群馬県太田市にあった。ほとんど知られていないが、米軍による
数度の大空襲により台湾少年工も犠牲となり戦歿しており、慰霊碑も建立されている。
このような群馬県が台中市に続いて高雄市とも友好協定を結ぶことを期待したい。
群馬県、台湾で引っ張りだこ 高雄「うちも協定を」
【中央通信社:2012年12月19日】
http://japan.cna.com.tw/Detail.aspx?Type=Classify&NewsID=201212190006
(高雄 19日 中央社)訪台中の大澤正明・群馬県知事(左)は19日午前、南部の高雄市
を訪れ同市の陳菊市長と会談、陳市長は、観光や貿易など双方が協力できる分野は多く、
将来的には群馬と友好協定を結びたいと熱烈なラブコールを送った。群馬県は18日に台中
市と友好交流協定に調印したばかり。
2人は、双方の教育や観光、農産物など産業などについて紹介し合い、陳菊市長は、1年
を通してほぼ常夏の高雄は群馬の人々のよい避寒地になるとアピール、来年9月に同市で開
催されるアジア太平洋都市サミットには大澤知事にもぜひ参加して欲しいと呼びかけた。
大澤氏は、群馬は東京都心から交通の便もよく、農業を活かした観光スポットや温泉な
どは台湾からの旅行客に大変好評だと述べ、特に農業分野での高雄との協力促進に意欲を
示した。
写真提供=高雄市政府