「沖縄県の玉城知事は台湾軽視」台北駐日経済文化代表処那覇分処・王瑞豊処長

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5月8日、台湾の沖縄領事館に相当する台北駐日経済文化代表処那霸分処の王瑞豊処長へのインタビューを掲載した。

インタビューは5月2日に行われ、上下2回に分けて配信されている。

上は、5月20日に発足する頼清徳政権の外交方針について、下は、沖縄の玉城デニー知事(本名:玉城康裕)の台湾との関係について聞き出している。

王瑞豊処長は那霸分処に2022年3月に着任して2年。

玉城知事の県政について「完全に中国寄りで、台湾に対して友好的ではない」「台湾との正式な交流を避けている」「中国の顔色をうかがっている」「内実がない」「台湾軽視」など、次々と玉城県政への批判が飛び出し、「台湾と沖縄県庁との関係は、日本全国でワーストだと言っても過言ではない」とまで言い切っている。

肚に据えかねることを玉城

 まさにその通りだとは思うものの、読んでいる方が今後の台湾と沖縄の関係に支障が出ないかと心配になってくるほどだ。

編集子は、王処長を東京の台北駐日経済文化代表処に勤務していたころから見知っているが、これほどの批判的な物言いは聞いたことがない。

その歯切れのよい的確な批判から、台湾と沖縄との関係をよくしたいという外交官としての期待とともに、王処長の台湾人としての誇りが垣間見える。

◆台湾新政権、外交方針は「現状維持」 台北駐日経済文化代表處那霸分處・王瑞豊処長(上)  https://hubokinawa.jp/archives/25886


「沖縄県の玉城知事は台湾軽視」台北駐日経済文化代表處那覇分處・王瑞豊処長(下)【HUB沖縄:2024年5月8日】https://hubokinawa.jp/archives/25889

 台湾では、20日に頼清徳氏が総統に就任して新政権が発足する。

台北駐日経済文化代表處 那霸分處の王瑞豊処長に、インタビューを行った。

(下)では、沖縄県が取り組んでいる地域外交などについて聞いた。

─ 沖縄と台湾との関係について

 台湾と沖縄は、長い期間にわたって民間交流を行い、(隣人同士として)非常に良い友好関係を築いてきた。

県民の台湾に対する好感度も高い。

しかし、われわれは将来の関係性について悲観的な見方をしている。

─ それは何故ですか? 沖縄県の玉城知事は地域の平和に貢献するとして「地域外交」を推進していますが

 われわれも当初は地域外交を歓迎していたが、実際の動きを見ると完全に中国寄りで、台湾に対して友好的ではない態度を示している。

台湾のマスコミも、玉城知事については「非親台派」と見ている。

玉城知事が訪中した際は中国の李強首相と面談する一方で、台湾との正式な交流を避けていることなどが理由だ。

われわれが沖縄で開催する台湾の国慶節を祝う式典に、以前は玉城知事が出席していたが、直近の2年は欠席。

最終的には副知事でもなく、(ランクが違う)統括監の代理で対応しようとした。

そのため、われわれの方からお断りした。

国慶節の式典については、他自治体ではおおむね地元の知事か副知事が出席している。

(地域外交と言うのであれば、)玉城知事も一方の意向を気にし過ぎず、自然体で振る舞った方が良いのではないか。

─ 日本の他自治体の知事と、沖縄県の動きは違うということですか?

 2023年の1年間で、日本の47都道府県のうち沖縄を含め24県の知事が台湾を訪れた。

山口県や青森県のように、2回訪問した知事もいる。

台湾の政府機関を堂々と訪問し、メディアで何度もアピールした知事も多くいるが、玉城知事は(地域外交を掲げながら)訪台しても正式な交流を避けている。

そのため、昨年11月に玉城知事が訪台した際、台湾では「非親台湾派」「低調、控え目の訪台」などと報道された。

─ 5月20日に行われる頼清徳氏の総統就任式では、玉城知事へ招待状を送りますか?前回は、翁長雄志前知事が出席  しました

 現時点で、予定していない。

理由の一つは、今回は新型コロナの影響で就任式に人数制限があり、基本的に国会議員を優先していることだ。

また、仮に招待状を送ったとしても、玉城知事は参加しないと見ている。

玉城知事は沖縄で開催される国慶節の式典にも参加せず、中国の顔色をうかがっているからだ。

玉城知事が本気で就任式に出席する意欲があれば、当事務所に口頭か書面で連絡してくると思うが、そういう動きはない。

◆「地域外交はバランス求める」「台湾と沖縄県庁の関係はワースト」

─ 沖縄県は、これまでたびたび台湾を重視するとしてきましたが、実態が伴っていないということですか?

 (玉城県政は)内実がないと思う。

昨年3月30日、照屋義実副知事は上京して中国の駐日大使と面会したが、同じ日に沖縄県議会は日中間で確認された諸原則を順守し、友好関係を発展させるという内容を盛り込んだ決議を、県政与党の賛成多数で可決した。

そのタイミングで会ったということは、その意見書を手土産として持って行ったと推察できる。

台湾軽視の姿勢は、ほかにも現れている。

台湾─那覇直行便が再開した際は、県の文化観光スポーツ部長しか歓迎に来なかった。

(台湾から沖縄への観光客はコロナ前の2019年は地区別で最も多い90万人超)。

一方、バンコクー那覇の定期直行便が初めて就航した際は、玉城知事自らが出迎えた。

現在、台湾と沖縄県庁との関係は、日本全国でワーストだと言っても過言ではない。

─ 沖縄県の地域外交には何を求めますか?

 沖縄は「万国津梁」の機能を十分に発揮してほしい。

アジアの玄関口としてバランス良く、片方にかたよるのではなく各国と友好関係を築くべきだ。


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