去る6月26日、山形市議会(斎藤武弘議長)6月定例会最終日に開かれた本会議において議会案第7号として出されていた「台湾のWHO総会へのオブザーバー参加を求める意見書の提出について」が原案通り可決されたそうです。
本誌で、3月25日に兵庫県議会(長岡壯壽議長)が2月定例会において「台湾のWHO年次総会オブザーバー参加を求める意見書」を全会一致で可決したことをお伝えし、その翌日の3月26日には、神戸市会が「台湾の世界保健機関及び国際民間航空機関へのオブザーバー参加を支持すること等を求める意見書」を69対0の全会一致で可決していたことをお伝えしました。
山形市議会の場合は、2017年12月6日に山形市の佐藤孝弘(さとう・たかひろ)市長と台南市の李孟諺市長の署名によって結ばれた「山形市と台南市との友好交流促進に関する協定」の影響が大きかったようです。
山形市議会のホームページで6月定例会でこの意見書が可決されたことは確認できますが、残念ながら肝心の意見書そのものを確認することができません。中央通信社は下記のように報じています。
<意見書では台湾について、山形市にとって重要な観光・貿易パートナーであると指摘。新型コロナウイルス対策が最も成功した地域の一つだと称賛したほか、台南市から必要な物資の寄贈を受けたことも記されたという。>(7月7日付「中央通信社」)
また、友好交流促進協定を締結した当時、中央通信社はその背景を下記のように伝えていました。
<民間ベースにおける両市の交流の歴史は長い。1964年には当時の山形市長、故・大久保伝蔵氏の尽力により山形県日華親善協会が設立され、台湾との交流が始まった。1993年には台南市進出口商業同業公会(輸出入協会)と山形商工会議所が姉妹関係を結んでいる。このようなつながりから、山形市内にある国指定史跡山形城跡「霞城公園」の二の丸東大手門が、台湾ヒノキを使って復元されている。山形市によると、近年山形を訪れる外国人観光客のうち、台湾人が5割以上を占めるという。 このような背景の下、昨年12月、当時台南市長だった頼清徳行政院長(首相)が友好協定の締結を提案。以来、双方で交流のあり方についての協議が進められ、今年合意に至ったという。頼院長は式典当日、ビデオの祝賀メッセージを寄せて両市の友好を祝福した。>(2017年12月7日付「中央通信社」)
—————————————————————————————–山形市、台湾のWHO総会参加求める意見書を可決 台南の友好都市【中央通信社:2020年7月7日】https://japan.cna.com.tw/news/apol/202007070002.aspx
(台南中央社)南部・台南市の友好都市、山形市の市議会が、台湾の世界保健機関(WHO)総会へのオブザーバー参加を求める意見書を可決したことが分かった。台南市政府が6日、報道資料で明らかにした。黄偉哲台南市長は、台湾が必要としている時に山形市が声を上げてくれたと述べ、都市外交の成果だと喜びを示した。
台南市政府によると、同意見書は先月26日の定例会で可決された。意見書では台湾について、山形市にとって重要な観光・貿易パートナーであると指摘。新型コロナウイルス対策が最も成功した地域の一つだと称賛したほか、台南市から必要な物資の寄贈を受けたことも記されたという。今後、衆・参院議長や内閣総理大臣、外務大臣、厚生労働大臣などに送付される。
両市は2017年に「山形市と台南市との友好交流促進に関する協定」を締結し、農業、スポーツなどにおいて積極的な交流を続けてきた。佐藤孝弘市長や市議らは協定締結後、毎年台南市を訪問している。
(楊思瑞/編集:塚越西穂)
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