当時、野党だった民進党主席をつとめていた蔡英文氏は、知らせを受けるや12時ころに台湾大学病院に駆けつけている。
2012年1月14日、台湾では総統選挙と立法委員選挙の初のダブル選挙が行われることになっており、黄昭堂氏は2011年春にいち早く蔡英文氏支持を表明していた。亡くなる3週間前ほどにも支援集会に元気な姿を見せていた。亡くなって2ヵ月後に行われた総統選挙は、中国国民党の馬英九氏が約689万票、李登輝元総統も支援した蔡英文氏は609万票と80万票の僅差で敗れている。
いまでも、もし黄昭堂氏が元気だったなら、「台湾守護運動」を発案して2004年の総統選挙で民進党の陳水扁を当選に導くような情勢つくりができたのではないかと言われている。蔡英文氏はいまでも、黄昭堂氏への恩義を忘れていないという。
本日午後は、黄昭堂氏を記念して、生まれ育った台南市七股区の龍山里海岸遊憩区に昨年9月21日に開園いた黄昭堂紀念公園において、台湾独立建国聯盟主催により「黄昭堂主席8周年逝世追思會」が開かれる。日本からは王明理・台湾独立建国聯盟日本本部委員長や黄昭堂氏の長男の黄正澄・同日本本部副委員長なども出席する予定だという。
昨年の開園セレモニーには陳菊・総統府秘書長も参列しており、今年の8周年逝世追思會の本日を期し、蔡英文総統は、台南市長としてこの記念公園の造成を決めた頼清徳・前行政院長を副総統候補に指名するのではないかと言われ、中央通信社は「蔡総統が午前中にも『蔡頼コンビ』を発表するとの見通し」と伝えている。
—————————————————————————————–民進党の副総統候補は頼氏 17日に正式発表の見通し【中央通信社:2019年11月16日】
(高雄中央社)来年1月の総統選に向け、与党・民進党が頼清徳前行政院長(首相)を副総統候補に据える模様だ。
蔡英文総統と頼氏は16日夜、南部・高雄の選挙対策本部設立大会に登壇する予定。同党関係者は、17日には台北市で、選対総本部と同市選対本部が発足することになっており、蔡総統が午前中にも「蔡頼コンビ」を発表するとの見通しを示している。
民進党と政権を争う他党は、最大野党・国民党から総統選に出馬する韓国瑜高雄市長が、馬英九前政権で行政院長を務めた無所属の張善政氏を、小政党・親民党の宋楚瑜主席(党首)が、政治経験を持たない広告業界出身の余湘氏をそれぞれ副総統候補に選んでいる。
(温貴香/編集:塚越西穂)