呂秀蓮・元副総統は9月17日に新党「喜楽島連盟」の推薦を受け、彭百顯・元南投県長と組んで総統選挙への出馬を表明していた。9月17日は、無所属の立候補者が署名集めの開始を届け出る締切日だった。約28万人の署名は11月2日まで中央選挙委員会に届けなければなないとされていた。
11月2日、呂秀蓮氏は署名が規定数の約28万人分に遠く及ばなかったとして、立候補を断念すると発表した。喜楽島連盟は20万人以上を集めたとしているが、自由時報14万人以下(連署書不到14萬份)だと報じている。
呂氏の署名は喜楽島連盟を中心に、民進党の反蔡英文派や中国国民党の韓國瑜支持者によって行われた模様だが、14万人以下が本当なら予想をかなり下回る数字だ。これは、はからずも民進党の反蔡英文派や中国国民党の韓國瑜支持者が意外と少ないことを証してもいて、呂秀蓮氏の出馬断念は蔡英文氏をさらに優勢にさせたと見ていいだろう。
—————————————————————————————–元副総統の呂秀蓮氏が出馬断念=台湾・総統選【中央通信社:2019年11月2日】
(台北中央社)呂秀蓮元副総統(75)が2日、総統選(来年1月11日投開票)への出馬を断念すると発表した。
独立派政党「喜楽島連盟」などの支援を受け、署名方式での立候補を目指していたが、集まった署名が規定数の約28万人分に遠く及ばなかったという。
署名の提出が締め切られる同日の声明では、署名活動中、脅迫や妨害などを受けたと訴えた。
北部・桃園出身で米ハーバード大法学修士。民主化要求のデモ隊を国民党政権が弾圧した1979年の「美麗島事件」に関わったことで逮捕され、約5年間の刑務所生活を送った。出所後は、立法委員(国会議員)、桃園県長などを経て2000年に発足した民進党・陳水扁政権で副総統を2期8年務めた。
来年の総統選は、親民党など野党2党が立候補を届け出ない場合、現職の蔡英文総統(民進党)と最大野党・国民党の韓国瑜高雄市長による一騎打ちとなる見通し。
(編集:羅友辰)