中国国民党の総統選挙公認候補争いに決着がついた7月15日、韓国瑜・高雄市長に敗れた郭台銘・鴻海精密工業前董事長陣営は「無所属で出馬することは検討していない」と発表したものの、出馬を模索しているという報道が相次いだ。
予備選から1ヵ月半、郭陣営が「無所属候補としての出馬を検討している」との声明を発表したという。産経新聞が報じているので下記に紹介したい。
郭台銘氏は柯文哲・台北市長と組んで総統選に出馬するのではないかという見方が強かったが、柯氏が台湾民衆党を立ち上げたことからすれば、柯氏が出馬するとなれば台湾民衆党からと考えられ、郭氏の無所属出馬は単独出馬ということになりそうだ。
郭氏が単独出馬となれば、中国国民党陣営には分裂への危機感が増し、民進党候補の蔡英文氏に有利に働く可能性が高まるという構図になりそうだ。組織票が期待できない柯氏にとっても痛手なのではないか。
—————————————————————————————–総統選出馬 慎重に検討 台湾 鴻海創業者が声明【産経新聞:2019年8月28日】
【台北=田中靖人】台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の創業者、郭台銘(かく・たいめい)氏(68)の事務所は27日、来年1月の総統選への立候補について「郭氏は目下、慎重に考えている」との声明を発表した。郭氏は7月中旬の野党、中国国民党の予備選で敗退した後も出馬の意欲があるとされていたが、関係者が公に検討を認めた。
同事務所は、同党の予備選で勝利した韓国瑜(かん・こくゆ)高雄市長(62)の候補者差し替えは「期待したことがない」とし、同党候補ではなく無所属候補としての出馬を検討しているとした。無所属での出馬には約28万人の署名が必要で、署名集めの開始を9月17日までに中央選挙委員会に届け出る必要がある。