本誌8月28日号でお伝えしたように、郭台銘氏の事務所は8月27日、中国国民党候補ではなく無所属候補としての出馬を検討していると表明していた。
台湾の世論調査によれば、郭台銘氏と柯文哲・台北市長と総統・副総統のペアを組めば、中国国民党の公認候補となった韓國瑜・高雄市長はもとより、民進党公認候補の蔡英文総統をしのぐ数字も出ている。
郭台銘氏は単独出馬すると表明したわけではなく、無所属出馬を検討しているという段階だ。柯文哲・台北市長との組み合わせが成立するのか注目していきたい。
一方、民進党内では副総統候補に頼清徳・前行政院長を推す声が徐々に高まりつつある。蔡英文総統・頼清徳副総統が成立すれば民進党内は一気に団結感が高まり、他の候補者にとってはかなりの脅威となるだろう。
—————————————————————————————–総統選出馬を準備 鴻海創業者 17日までに判断【産経新聞:2019年9月8日】
【台北=田中靖人】台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の創業者、郭台銘(かく・たいめい)氏(68)は7日、日本メディアと会見し、来年1月の総統選について「出馬の準備中だ」と述べ、立候補に強い意欲を示した。郭氏周辺は出馬する場合は無所属だとしており、選管当局に署名集めの開始を届け出る期限の17日までに最終判断する。
7月中旬に野党、中国国民党の予備選で敗退した後、本人が出馬の意欲を表明するのは初めて。郭氏は「総統になれば当然、台湾を守る」などと出馬が前提と受け取れる発言を繰り返した。
また、中国と台湾は「2つの独立した政治体」と主張。一方で「(中国側は)私が台湾独立路線を取らないと信じており、相互に信頼がある」とも述べ、中国との関係改善に自信を見せた。
日本との関係では「3人の候補の中で最も日本を理解している」と二大政党の候補との差別化を図った。