一方、中国国民党は韓國瑜・高尾市長の人気が高いというが、ここに来て郭台銘・鴻海精密工業董事長が急追、7月5日から15日にかけ、5つの調査機関に委託して実施する世論調査(有効回答件数は各機関3000件以上とする)は、やってみないと分からないという状況になってきたようだ。
蘋果日報が6月19日に発表した世論調査では、韓国瑜:32.8%、蔡英文:27.1%、柯文哲:24.3%だったが、蔡英文氏との一騎打ち対決では蔡英文:40.3%、韓国瑜:39.1%の結果だったという。
一方の郭台銘氏は、郭台銘:27.2%、蔡英文:25.4%、柯文哲:24.2%で、蔡英文氏との一騎打ち対決では郭台銘:40.0%、蔡英文:32.0%だったという。
しかし、民進党では頼清徳氏が圧倒的なリードを保っていたにもかかわらず、6月10から12日にかけての世論調査の半月ほど前から蔡英文氏が急追し、予期しなかった逃亡犯条例改正案への抗議デモが香港で起こったことで、蓋を開けてみれば蔡英文氏が35.68%、頼清徳氏が27.48%で、蔡氏が頼氏を8.2ポイントも上回っていた。
国民党の世論調査までは半月以上もある。韓國瑜氏は勢いをこのまま維持できるのか、それとも急追する郭台銘氏が追い抜くのか。蘋果日報の世論調査がその予兆を示しているように思えるが、なにが予備選を左右するのか推し量ることはできない。
—————————————————————————————–総統選世論調査、本戦では郭台銘氏が強さ発揮【NNA ASIA:2019年6月20日】
19日付蘋果日報は2020年総統選に絡む各種世論調査を発表した。これによると、7月に実施される最大野党・中国国民党の党内予備選に関する世論調査では、韓国瑜高雄市長が最も高い支持率を得た。だが、総統戦本戦に関する調査では、EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手、鴻海精密工業の董事長でもある郭台銘氏が韓氏よりも強さを発揮する結果となった。
調査は蘋果日報から委託を受けた調査会社、典通(スタティンク)が6月14〜16日に電話で実施。1,086件の有効回答を得た。
国民党は先ごろ党内予備選について、7月8〜14日に世論調査を基に行うと決定。蘋果日報の調査では、韓氏が38.6%と最も高い支持率を得た。郭氏は32.6%、朱立倫・前新北市長は28.8%だった。
だが、このほど与党・民主進歩党(民進党)の公認候補者に決定した蔡英文総統と無所属からの出馬が取り沙汰される柯文哲台北市長を交えた総統戦本戦の世論調査では、郭氏の人気の高さが浮き彫りになった。郭氏は蔡氏、柯氏との対決を想定した調査で、27.2%の支持率を獲得し、蔡氏の25.4%、柯氏の24.2%を上回った。蔡氏との一騎打ちでは、郭氏40.0%、蔡氏32.0%だった。
一方、韓氏は蔡氏と柯氏との対決では、32.8%の支持率で、蔡氏の27.1%と柯氏の24.3%を上回ったものの、蔡氏との一騎打ちでの支持率は39.1%で、蔡氏(40.3%)に先行された。
中国文化大学広告学部の鈕則勲教授は、「郭氏は最近、インターネット番組に出演し、インフルエンサーと交流を図るなどして人気を高めている。これにより、本来は韓氏を支持していた若者が郭氏の支持に回っている」と分析した。