昨日の本誌で、台湾独立建国聯盟主席だった黄昭堂氏が2011年11月17日に急逝、その黄昭堂氏の偉業を記念し、生まれ育った台南市七股区の龍山里海岸遊憩区に昨年9月21日に開園した黄昭堂紀念公園で、11月17日に台湾独立建国聯盟主催により「黄昭堂主席8周年逝世追思會」が開かれることを伝え、黄昭堂氏に恩義を感じている蔡英文総統は、台南市長としてこの紀念公園の造成を決めた頼清徳・前行政院長を副総統候補に指名するのではないかと伝えたが、8周年逝世追思會のこの日午前、蔡英文総統は頼清徳氏を副総統候補として発表した。
本日(11月18日)から22日まで各党の総統・副総統候補が選管に立候補の届け出を行う。いよいよ総統選の火蓋が切って落とされ、本格的な選挙戦に入る台湾だ。
ちなみに、中国国民党系と言われる聯合報が昨日(11月17日)発表した世論調査によると、蔡英文氏(民進党):43%、韓國瑜氏(中国国民党):27%、宋楚瑜氏(親民党):11%で、蔡氏が韓氏に16ポイントの大差をつけてリードしており、宋氏に至っては32ポイント差もある。聯合報の10月27日発表の前回世論調査では、蔡英文氏:42%、韓国瑜氏:30%だったから、蔡氏が1ポイント伸ばし、追い上げなければならない韓氏が3ポイント落とし、その差は広がっている。
2020年1月11日の投開票日まで2ヵ月を切り、韓氏も宋氏もこの差を詰めるのはかなり難しいのではないだろうか。
—————————————————————————————–蔡英文総統、頼清徳氏とタッグ 総統選に向け「団結」へ/台湾【中央通信社:2019年11月17日】http://japan.cna.com.tw/news/apol/201911170001.aspx
(台北中央社)来年1月の総統選で再選を目指す与党・民進党の蔡英文総統は17日、台北市内で記者会見し、副総統候補に頼清徳前行政院長を起用すると正式に発表した。2人は今年6月、総統候補を決める党内予備選を争ったが、蔡総統は「競争こそがわれわれをさらに強くし手を組ませ、最も強いタッグにしてくれた」と強調。「団結」の姿勢を示した。
頼氏は、蔡総統の誠意を感じ、要請を受けることにしたと説明。副総統候補として蔡総統と共に選挙を戦い、台湾の民主主義を守り抜くとの考えを示した。
独立志向を持つ民進党だが、党内有力者の蔡氏と頼氏が予備選を争うなど、分裂を危惧する声が上がっていた。関係者は、蔡氏より独立志向が強い頼氏を副総統候補に据えることで、穏健な蔡総統に物足りなさを感じている層の支持を取り込むことができると分析している。
総統選の立候補の届け出は18日から22日まで。蔡氏ペアのほか、対中融和路線の最大野党・国民党の韓国瑜氏と、国民党から分裂してできた小政党、親民党の宋楚瑜主席(党首)の3陣営が届け出る見通し。
(葉素萍、顧セン、温貴香/編集:楊千慧)