ブリンケン国務長官訪中でみる習近平の巨嬰外交
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「台湾の声」編集長 林 建良(りん けんりょう)
ブリンケン国務長官の中国訪問。
事前の予測だとあまり成果が得られないと予想されていたが、
台湾の立場からすれば意外に大きな成果があった。
習近平政権になってから、
中国は戦狼外交を展開していくようになった。
戦狼外交とは喧嘩外交。
高圧的な態度で、悪いのは全部外国。
戦狼外交に見えるかもしれないが、
実際は「巨嬰外交」
巨嬰外交とは巨大赤ちゃん外交
中国である本が出版され、物凄く注目をあびた。
そのタイトルとは「巨嬰国」(2016年出版)
大人のようで実はみんな赤ちゃんという意味。
著者は中国で21年間観察をしてこの本を書き上げた。
この本では、
「中国人は基本赤ちゃんと一緒」と書かれている。
気に入らないことがあればギャーギャー喚く。
駄々をこねる。
この本は中国ですぐヒットし、すぐ出版禁止になった。
ブリンケン国務長官の訪中で今回の「巨嬰外交」が見れたシーンとは。
できるだけブリンケン国務長官に屈辱感を与える。
ブリンケン国務長官の中国到着の際に、
普通であればレッドカーペットを敷いて、
相応の人物が迎えに上がるが、
今回はレッドカーペットではなく、
レッドラインを引いた。
レッドラインとは警告の意味。
出迎えたのはだいぶランクが下の北米局局長。
あえてこのような屈辱的な思いをさせる中国。
中国外交トップ、王毅との会談
この三時間の会談で王毅は一方的に
責任をアメリカに押し付けた。
会談というよりも王毅がブリンケンをののしるような内容。
「今の米中関係の低迷、責任は全てアメリカにある。
」
王毅との会談後は習近平との会談。
会談の時間は35分。
通訳も入るので、話す時間は一人10分程度。
ここで一番話題になったのは席の配置。
ブリンケンは一国を代表した人間であるが、
習近平はコの字の配置で真ん中に座った。
この席の配置で分かるのは、
習近平は自分がボスと言いたいこと。
他は全部自分の部下と見せたかった。
中国のテレビはあえて、
習近平が話をしている時に
ブリンケンが目を見て聞いているところを流した。
しかしブリンケンが話をする時は、
習近平は別のところを向いている。
つまり軽蔑するような態度。
中国の対米外交は、
アメリカを軽蔑するような姿勢。
習近平は、
「アメリカは競争ばかりして、自分の問題も解決できない。
」
このように責任をアメリカに押し付けた。
米中両国とも「今回の会談は率直的。
実務的。
建設的」と表現している。
「率直的」とは「言いたい放題」で「建設的」とは「喧嘩別れではない」ということなのです。
つまり、両方とも成果がなかったと認めているわけ。
しかしここでなぜ今回は成果があったと敢えて言うのか
一つ目の効果は、
ブリンケンは中国に「デリスキング」をきちんと伝えた。
これはG7の主要国に対する一つの意思表明。
アメリカが本気だということを示した。
二つ目の効果はアメリカの屈辱感です。
アメリカ国内の反応は、
「中国がアメリカの顔に唾は吐いた。
」
McFarland元安全保障副補佐官(トランプ政権)
共和党上院総務McConnell
「ブリンケンは中国に鏡を持ち上げて向けるべきだった」
下院外交委員長McCaul
「ブリンケンの訪問はがっかりだった、立派な失敗」
この屈辱なシーンをアメリカ人は見て、
中国は自ら「巨嬰外交」を証明した。
このような国を話しても無駄だとアメリカ国内が感じたこと。
話し合いではなく、法で中国を抑え込む。
今回の訪中の最大の成果とはなにか。
アメリカがこれから中国とは話し合いではなく、実力。
これからアメリカはこのような方向に向かっていく。
これは台湾とアメリカにとって、
素晴らしい訪問であった。
対中外交は対話路線では効果がないことが証明された。
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