「米台21世紀貿易イニシアチブ」第一弾署名・その意義
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「台湾の声」編集長 林 建良(りん けんりょう)
中国共産党、人を操る方法は二つ。
利益と恐怖。
別々に使うのではなく同時に使う。
暴力団やマフィアに似ている手法。
台湾に対する併呑のやり方も一緒。
利益(経済)と恐怖(軍事的恫喝)。
中国が良く台湾に使う手法。
「以商囲政(ビジネスを持って政治を囲い込む)」
台湾の企業家を誘致して、台湾の企業家を通じて台湾の政治を動かす。
なぜ台湾の企業家は中国に利用されるか。
なぜ中国国民党をはじめとする親中派は20数パーセントを占めるのか。
以商囲政は特に貿易の面で、
一種の囲い込み漁戦略と言っても良い。
台湾は主要国といまだに正式なFTAがない。
一国を除いて。
それは中国。
親中派の馬英九政権、
2010年の時に中国とECFA(経済協力枠組協定)を締結。
一種のFTAと言っても良い。
このECFAの締結により806品目は三段階に分けて関税を撤廃するという取り決め。
中国とはFTAを結んでいて、他の主要国と結んでいない。
そうすると必然的に台湾の企業家は、中国と商売しやすくなる。
中国と商売をすれば800項目ほどの関税がない。
その代わり、他の国との商売が難しい。
例えば、
台湾産パイナップルはフィリピン産パイナップルと比べて高い。
なぜ値段に違いが出るか。
一つの要因として、
日本とフィリピンはEPA(経済連携協定)を結んでいるため、
フィリピン産のパイナップルは関税がかからない。
一方、台湾産パイナップルは関税に関する取り決めがないため、
日本に輸入する際に17%の関税がかかる。
なぜ日本と台湾はFTAを結ばないのか。
一言で言うと、中国の圧力があるから。
中国は他の国が台湾とFTAを結ぼうとすると、
相手国に対して恫喝や報復をしてくる。
中国はマーケットが大きいから、
中国の力に負けてしまう。
これはアメリカでさえも例外ではない。
ただし、これでは問題だとアメリカも認識し始めた。
2022年5月にIPEF(インド太平洋経済枠組み)を立ち上げた。
中国のいない経済枠組みを作ろうということだったが、
中国が中にいなくても、別の国々に圧力をかけている。
台湾がこの枠組みに参加すれば、
他の国々が中国の報復を恐れて、結果参加できなくなる。
特に東南アジアの国々。
台湾のためにわざわざ中国のいない枠組みを作っても、
結果中国の圧力によって、台湾も参加できなくなる。
それぐらい中国の影響力が強い。
2022年5月にIPEF(インド太平洋経済枠組み)を立ち上げたが、
台湾が参加できないということであれば、
アメリカと台湾の二国間で経済協力枠組みを作らないかということで、
「米台21世紀貿易イニシアチブ」という構想が上がった。
この枠組みに関する取り組みは2022年6月からスタート。
台湾とアメリカで二回ほど対面会議、
数十回にわたるオンライン会議を経て、
ようやく第一弾の協定を結んで、署名にたどり着けた。
「米台21世紀貿易イニシアチブ」の項目は、
全部で12項目。
第一段階の署名は5項目。
1.貿易円滑化
2.良き規制(GRPs/Good Regulatory Practices)
3.反腐敗
4.中小企業
5.国内サービス業規制
一番取り決めしやすい五項目から合意と署名。
今回は農業等の難しい取り組みより先に簡単な5項目の合意と署名。
この五項目だけでも十分大切な意義がある。
米台21世紀貿易イニシアチブ」第一弾署名、
その五つの意義とは、
1.米台FTAの一歩前進
2.脱中国依存
3.台湾の経済体質の強化に繋がる。
4.アメリカ以外の他国とのFTA協定締結の可能性が出てくる。
5.台湾の国際的地位が更に向上する。
今回の合意と署名は第一歩に過ぎないが、
台湾の主権の強化に繋がる大きな一歩前進。
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