「中国を刺激するな」――朝日新聞社説が本当に言いたいこと
文/林省吾(Shogo Lim)
台湾独立建国連盟 日本本部 中央委員
3月10日付の朝日新聞社説「台湾の要人来日 妥当な判断だったのか」は、日本政府が台湾の行政院長・卓栄泰氏によるWBC観戦を目的とした私的訪日を認めたことに疑問を呈した。
同社説は、卓氏の訪日を単なる「私人としての訪問」として説明することはできないとし、WBC観戦には政治的動機があると指摘する。
すなわち、一つには台湾における野球人気に便乗して国民の好感度を高める狙いがあり、もう一つには国際社会に対して日台関係の良好さをアピールする意図があるというのである。
さらに社説は、アメリカは台湾の後ろ盾ではあるものの、トランプ大統領の行動は予測が難しいため、頼清徳政権は日台関係の強化を急いでいるのだと論じる。
そして続けて、日中共同声明を持ち出し、かつて台湾の要人の訪日を認めてこなかった時代でも日台関係が悪化したわけではないと示唆する。
そのうえで、日中関係が緊張する中、日本政府はなぜ中国に日本が挑発していると誤解されるリスクを冒してまで、卓氏の訪日を認める必要があるのかと疑問を呈する。
社説全体は、事実を淡々と積み重ねる冷静な分析のように見える。
しかし、その核心は実のところ、たった一つの言葉に集約される。
「なぜわざわざ中国を刺激するのか?」
興味深いことに、卓氏の訪日が報じられるや否や、台湾のSNSでは「行政院長がチャーター便を飛ばして、プライベートで野球観戦に行くのはいかがなものか。
」といった世論誘導とも取れる言説が瞬く間に広がった。
中国国民党の立法委員も立法院で卓氏を追及している。
さらに奇妙なことに、ちょうど同じタイミングで、日本の朝日新聞もまた高市政権の判断を批判する社説を掲載した。
これらの現象を総合すると、筆者は一つの点を指摘せざるを得ない。
歴史的突破の意味を持つ「卓院長の訪日」を、何としてでも押さえ込みたい勢力が存在するということだ。
その背後がどこなのかは、もはや言うまでもないだろう。
メディアが行政・立法・司法に次ぐ「第四の権力」と呼ばれるのは、その独立性と自主性が前提にあるからである。
極権国家の機関誌はさておき、もし民主社会の主流メディアが首輪を付けられた犬のように権力の意向を忖度し、命令に従い、さらには自国に対して「中国を刺激するな」と警告するようになったとすれば、それこそメディア精神に対する最大の皮肉であろう。
朝日新聞のスローガンはこうだ。
「つながれば、見えてくる。
ひと、想い、情報に光をあて、結ぶ。
ひとりひとりが希望を持てる未来をめざして。
」
しかし、進歩的価値を掲げるメディアが、台湾人の主権を無視し、台湾人の人権を軽んじるような社説を掲載するのであれば、それは実に悲しいことである。
「つながれば、見えてくる。
」
事実を一つひとつつなぎ合わせていけば、誰が世界を挑発し、平和を壊しているのかは見えてくる。
それは台湾ではない。
日本でもない。
もちろん朝日新聞でもない。
中国である。
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