4月3日、マグニチュード7.2の「台湾東部地震」で死者9人、負傷者1011人

昨4月3日午前7時58分(日本時間8時58分)、台湾東部海域でマグニチュード7.2(日本の気象庁発表ではマグニチュード7.5)の地震が起こりました。

1月1日に起こったマグニチュード7.6の「令和6年能登半島地震」の余震が続くさ中の台湾の地震でした。

台湾の内政部消防署の3日午後10時発表では、台湾全土で死者9人、負傷者は1,011人に及んでいるそうです。

亡くなられた方々に心からお悔やみ申し上げ、被災された方々にお見舞い申し上げます。

台湾の中央気象署地震観測センターによれば、震源の深さは15.5キロメートルと非常に浅かったことから、震源地の花蓮県和平郷の外海では「震度は6強に達したほか、東部・花蓮市でも6弱、北東部・宜蘭、北西部・苗栗で震度5強、北部の台北、新北、桃園、および中部・台中、彰化、南投、北西部・新竹県でも震度5弱、その他の地域でも震度4を記録」(台湾国際放送)したそうです。

立て続けにマグニチュード6.6から6ほどの余震が起こっていた4月3日、岸田文雄総理は「台湾の皆さんへ」と題するメッセージを発表して、お見舞いを申上げるとともに「隣人である台湾の困難に際し、日本としては必要な支援を行う用意があります」と表明しました。

午後1時過ぎには、フェイスブックとX(旧ツイッター)でも同じメッセージを日本語と中国語でアップしました。

本会にも、お見舞いの募金はやらないのかとの問い合わせを含む電話やメールをいただきました。

いち早く昨日から緊急支援と銘打ったプロジェクトを立ち上げ、クラウドファンディングで募金を始めたNPO法人もあるようです。

2002年設立の本会は、これまでも2009年8月の台風8号(モーラコット)による台湾の「八八水害」を手始めに、2014年7月下旬のトランスアジア航空222便着陸失敗事故と同月末の高雄ガス爆発事故、2015年8月の台風13号による高砂義勇隊慰霊碑の土砂崩れ埋没、2016年2月のマグニチュード6.4の台湾南部地震、2017年4月の八田與一像の首切断事件、2018年2月のマグニチュード6.4の花蓮大地震が起こったときにお見舞い募金を呼び掛けてまいりました。

街頭募金も行いました。

高砂義勇隊慰霊碑の土砂崩れ埋没や台湾南部地震、八田與一像の首切断事件の折は、寄せていただいた義援金を高砂義勇隊記念協会や頼清徳・台南市長(当時)、嘉南農田水利会に直接お届けしました。

他は、台北駐日経済文化代表処を通じ、義援金を被災地に届けていただきました。

私ども民間でできることは限られ、捜索・救助活動や医療支援などは専門機関や公共機関に任せるしかなく、物資支援やお見舞い募金の支援活動に限られるようです。

今回の台湾東部地震の災害が広がらないことを祈りつつ、状況を見ながらできる限りの支援を呼び掛けてまいりたいと思います。


【台湾東部・花蓮地震】マグニチュード7.2、気象署:921大地震以降最大【台湾国際放送:2024年4月3日】https://jp.rti.org.tw/news/view/id/99094

 3日午前7時58分、台湾東部・花蓮県和平郷の外海でマグニチュード7.2の地震が発生。

震源の深さは15.5キロメートルと非常に浅く強い地震で、離島を含む台湾全体で強い揺れを感じました。

震源地の震度は6強に達したほか、東部・花蓮市でも6弱、北東部・宜蘭、北西部・苗栗で震度5強、北部の台北、新北、桃園、および中部・台中、彰化、南投、北西部・新竹県でも震度5弱、その他の地域でも震度4を記録。

西の離島では震度3から1でした。

中央気象署地震観測センターの呉健富・主任は、今回の地震の震源が位置するフィリピン海プレートはユーラシア大陸プレートに沈み込む地震多発地帯にあることから、過去にもマグニチュード6以上の地震が多く発生している。

2022年だけでも5回発生している。

今回の地震については、1999年に発生した921大地震後25年間で最大規模の地震であると述べ、次のように説明しました。

呉・主任は、「今回の地震は震度6強を記録した。

実は、2020年に震度の階級を10段階に変更して以降、2022年9月18日に台湾南東部・台東で発生した「台東地震」で観測されたのに続いて2度目の震度6強だ。

1999年の921大地震は内陸の中部・南投の集集エリアで発生した地震で、マグニチュード7.3、震源の深さは8.0キロメートル、当時の震度は7だったが、これは震度の階級を変更する前のものであり、また震源が陸地であったことから、災害は非常に深刻だった」と説明しました。

また呉・主任は、今後3〜4日はマグニチュード6.5から7の余震があると予測しており、注意を呼び掛けています。

なお、今回の地震が発生した際、一部の地域でアラートがならなかったことについて、気象署は12の県市に国家レベルの警報を発令したが、北部の桃園、新北、台北、基隆、南部の高雄・桃源、屏東・九如の6か所で、実際には震度は4以上に達したものの、警報の初報ではマグニチュード6.8と予測したことから、予測震度が4以上にならないと判断され、警報が発令しなかったと説明、気象署は引き続き、改善を続けるとしています。

中央災害対応センターが3日正午までにまとめた統計によりますと、今回の地震で4人が死亡、57人が負傷しています。

中でも花蓮の被災状況が最も深刻で、太魯閣国家公園の得●倫歩道(デカルン歩道)で3人が死亡、台9線の大清水トンネルで1人が死亡しています。

(●=上下)

 また、933件の被災情報が寄せられており、その多くは生活インフラの被災で150件、その他の被災が624件となっています。

(編集:中野理絵/許芳[王韋]/本村大資)


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