湾大使に相当)が帰任し、羽田空港で日台漁業交渉について「漁業者の生活に関わるの
で、交渉の議題や時期について積極的に折衝する」と述べた。NHKが取材の模様を動画
とともに伝えているので下記に紹介したい。
沈代表の帰任に先立ち、台湾の林永楽・外交部長(外務大臣に相当)は4日午前の国会質
疑で「最重要業務として2009年以来中断している台日間の漁業協議を再開させること」を
挙げ、また「漁業協議再開に向け、沈代表は協議の日程や、議題、目標などについて日本
側と調整しなければならない」と述べたと台湾メディアは伝えている。
すでに日本の窓口の交流協会台北事務所は9月24日に「日本政府は、日台漁業協議が早期
に再開されることが望ましいと期待しています」とするプレスリリースを発表し、25日に
は交流協会の今井正理事長(前交流協会台北事務所代表)が訪台している。
しかし、このときは台湾側の事情で調整できなかったものの、9月27日に新しい外交部長
に林永楽氏が就任、「日本側とは引き続き漁業交渉を進める」と第一声を発し、再び交渉
への台湾側の態勢が整った。林外交部長は10月3日、事前交渉が始まっていることを明らか
にしている。
本日(5日)、ホテルオークラで開く「国慶節祝賀レセプション」で沈代表のスピーチが
注目される。
ちなみに、この「国慶節祝賀レセプション」は中華民国が建国記念日とする10月10日を
ナショナルデーとしているところから行われるもの。日本は天皇誕生日をナショナルデー
とし、海外の日本大使館が毎年12月に天皇誕生日祝賀会として行っている。もちろん、中
国の日本大使館でも行い、台湾でも平成15(2003)年から毎年開催されている。
台湾駐日代表が帰任 漁業交渉進展を
【NHK:2012年10月5日】
動画:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121005/k10015532101000.html
日本政府が沖縄県の尖閣諸島を国有化したことを受けて、台北に呼び戻されていた台湾
の沈斯淳(しん・しじゅん)駐日代表が、およそ3週間ぶり4日夜に帰任し、島の周辺海域
を対象にした漁業交渉を進展させるよう、日本側への働きかけを一段と強める考えを示し
ました。
台湾の沈斯淳駐日代表は、日本政府が沖縄県の尖閣諸島を国有化した翌日の先月12日、
台湾当局によって台北に呼び戻されていましたが、台湾が建国記念日としている日を祝う
ためにみずから主催するレセプションが、5日、東京で開かれるのを前に、4日夜、帰任し
ました。
羽田空港で取材に応じた沈代表は「主権についてのわれわれの立場は揺るがない」とし
て、尖閣諸島の領有権は台湾にあると重ねて主張しました。
そのうえで、沈代表は、台湾の漁業者が島の周辺海域での操業を望んでいることについ
て、「漁業者の生活に関わるので、交渉の議題や時期について積極的に折衝する」と述
べ、3年以上中断している漁業交渉を早期に再開して進展させるよう、日本側への働きかけ
を一段と強める考えを示しました。
さらに、沈代表は「台湾と日本の人たちが互いによい感情をもっている今の状況は大切
にしたい」と述べ、尖閣諸島を巡る主張の違いはあっても、日本との良好な関係をさらに
発展させることに意欲を表しました。