農水副大臣の滝波宏文・参院議員が9月4日から6日まで台湾を訪問している。
副大臣の公務ではなく参院議員の政務活動として訪台した。
4日には蔡英文・前総統、5日は立法院の江啓臣・副院長や米国在台湾協会(AIT)のレイモンド・グリーン台北事務所長、謝長廷・前台北駐日経済文化代表処代表などとも会談したという。
どの報道でも触れているように、副大臣の台湾訪問は2017年3月に公務で台北を訪れた赤間二郎・総務副大臣以来だが、滝波議員自身はX(旧ツイッター)で「これまで、2002・2006・2013・2017年と続けられてきた、現職の副大臣による訪台の灯火を、コロナ禍を超えて続ける事ができて良かったと思います」とつづっている。
2002年1月は古屋圭司・経済産業副大臣、2006年8月は宮腰光寛・農林水産副大臣、2013年は不明だが、2017年3月は赤間二郎・総務副大臣が訪台した。
今年5月26日に「戸籍法施行規則の一部を改正する省令」が発令されたことで台湾出身者の戸籍問題は解決したが、滝波議員は、解決にもっとも尽力した日華議員懇談会内の「戸籍における国名表記問題に関するプロジェクトチーム」の座長をつとめている。
夫人が台湾出身者だったから、古屋圭司会長から座長を指名されたという。
そもそも安倍派に所属していた滝波議員自身、台湾への関心が深く、台湾と日本の議会や地方交流の促進に熱心で、外交において台湾を支持する発言を行ってきた。
その言動もあって古屋会長の目にとまったようだ。
これまでに何度も訪台しているが、参議院農水委員長だった昨年7月には「日本参議院親台湾派議員団」の代表として、吉川有美、小野田紀美、永井学、清水真人、小林一大、加田裕之、梶原大介の各参議院議員と訪台し、今後も具体的な行動で台湾を支持すると表明していた。
今回の訪台では、戸籍問題でお世話になった謝長廷・前台北駐日経済文化代表処代表とも会い、台湾のテレビ局3社からのインタビューにも応じたという。
やはり、台湾側は夫人が台湾出身であることや台湾出身者の戸籍問題を解決したことに関心があったようだ。
そのうちの1本を下記に紹介するととともに、いち早く滝波議員の訪台を報じた産経新聞の記事をご紹介したい。
◆日戸籍法”可填台灣”上路 台灣女婿幕後推手 “台灣女婿”日農林水産副大臣 助在日台人正名 曝内幕! 低調推修法防中國阻礙 【三立獨家:2025年9月5日】
滝波農水副大臣が台湾へ、政務三役の訪台は17年以来林長官、小泉農水相も一定理解か【産経新聞:2025年9月4日】
https://www.sankei.com/article/20250904-GHWY4UYF5BCZNNLDTOC35KEKGI/?246411
農林水産副大臣を務める自民党の滝波宏文参院議員が4日、台湾に渡航したことが分かった。
公務ではなく政務としての立場で、台北市で農林水産関連のイベントに出席する。
日本政府は中国に対する配慮から政府高官の訪台を自主規制しており、現職の政務三役の訪台は珍しい。
滝波氏は親台派の中堅議員として知られ、現地では蔡英文前総統との会談も予定する。
6日まで台湾を訪れる。
政務三役の訪台を巡り、閣僚の事例は過去になく、2017年に公務で台北を訪れた赤間二郎総務副大臣(当時)以来とみられる。
滝波氏は周囲に、台湾との交流関係を緊密化する必要性を示しており、訪台計画について林芳正官房長官や小泉進次郎農林水産相らに事前に報告している。
両氏からは前向きな回答があったという。
滝波氏は台湾との友好関係を重視する超党派議員連盟「日華議員懇談会」(日華懇)に所属。
台湾出身者の戸籍の国籍欄について、「中国」でなく「台湾」表記を可能とした今年5月の戸籍法施行規則改正に尽力した経緯がある。
滝波氏は今回の訪台で、蔡氏に加え、戸籍の「台湾」表記を訴えた謝長廷氏(前台北駐日経済文化代表処代表)らと会談し、一連の経緯についても報告する予定だ。
(奥原慎平)
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