総統令を公布した。報道によれば、謝長廷代表の日本着任は6月9日か10日になるという。
すでに、日本との窓口機関で、交流協会のカウンターパートの亜東関係協会会長には邱義仁氏
(66歳)が就任している。邱氏は総統府秘書長などの要職を歴任した与党・民進党の重鎮で、蔡総
統の側近。行政院副院長を退任後は北海道大学や京都産業大学で客員研究員をつとめた知日派とし
ても知られている。
就任に際して邱氏は「最近の国際情勢の変化により台日関係は新たな段階に入るとした上で、先
人の努力などを基礎として、双方の関係を進展させたい」と抱負を語っていた。
一方の謝長廷氏は、駐日代表に内定したことを報道陣に明かした4月下旬、「台日の友好関係を
経済、文化の各方面でさらに格上げしたい」(毎日新聞)と述べ、また「駐日代表として台日を一
般的なパートナー関係から戦略的なパートナー関係、さらには共生する運命共同体に変えたい」
(中央通信社)と強い意気込みを表明している。
対日関係をになう亜東関係協会とその出先機関の台北駐大阪経済文化弁事処に大物を配し、蔡英
文総統の日本重視姿勢はよりいっそう鮮明になった。
ちなみに、謝長廷氏が行政院長をつとめた2005年2月から2006年1月までの間、邱義仁氏は総統府
直轄機関である国家安全会議の秘書長をつとめている。邱氏は2002年3月から1年間、秘書長をつと
め、2004年5月から2007年2月まで2度目の秘書長をつとめた。
国家安全会議の歴代秘書長は総統の側近が就く。現在の秘書長は、林全・行政院長とともに蔡総
統の側近と言われる呉釗燮氏が就任している。
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蔡英文総統、「知日派」の謝長廷氏を駐日代表に任命
【中央通信社:2016年6月3日】
(台北 3日 中央社)総統府は3日、同日付で台北駐日経済文化代表処の代表(駐日大使に相当)
に謝長廷・元行政院長(首相)を任命する人事を発表した。与党・民進党の重鎮である謝氏は、日
本留学経験を持つ「知日派」として知られ、代表起用は先月20日に発足した蔡英文政権の「対日重
視」の表れだとされている。
日本には9日か10日に着任する見通し。当初は中旬の予定だったが、10日から熊本を訪問する頼
清徳・台南市長、陳菊・高雄市長らと合流するため、時期を早めた。頼氏らは、4月の熊本地震の
被災地を視察するほか、義援金約6200万台湾元(約2億700万円)を寄付するとしている。
謝氏は4月下旬、駐日代表として台日を一般的なパートナー関係から戦略的なパートナー関係、
さらには共生する運命共同体に変えたいと意気込みを語っている。
(呂欣ケイ/編集:杉野浩司)