泉裕泰・日本台湾交流協会台北事務所代表が間もなく離任

 台湾の駐台日本大使に相当する日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰(いずみ・ひろやす)代表が間もなく離任するという。

 台湾の中央通信社は「20日、台北市の同事務所代表公邸で行われた外務大臣表彰の伝達式に出席し、自身が同所で同様の式典を執り行うのは今回が最後だと明かした」と伝えている。

 泉代表は沼田幹夫代表の後任として、2019年10月に日本台湾交流協会台北事務所代表を拝命、11月1日に着任しているから、今年で4年目だった。折しも、新型コロナウイルスが世界的に蔓延してパンデミックを起こす直前の赴任で、コロナ禍の中、最良の日台関係を維持した。

 本会も、赴任直後の2019年11月21日に「役員・支部長訪台団」(団長:辻井正房・副会長)として泉代表を表敬訪問し、台湾の総統選挙の見通しや台湾との交流をどのように深化させてゆこうとするのかなどについて約1時間にわたってお話を伺った。

 また、昨年12月の「役員・支部長訪台団」と今年7月の「李登輝先生墓参訪台団」でも泉代表を表敬訪問しており、本会は訪台のたびにお世話になっていた。

 2021年12月に発足した「日台共栄首長連盟」(会長:宮元陸・加賀市長)も去る10月2日、泉代表を表敬訪問し、来年1月13日に投開票が行われる総統選挙についての見解や自治体交流の重要性などについてお話を伺った。

 訪台メンバーに石垣市の中山義隆市長と与那国町の糸数健一町長も入っていたことから、泉代表はわざわざお二人を引き留め、台湾有事への対応などについて話を聴いたそうで、駐台日本大使として台湾有事における邦人避難などへの関心は人一倍強いという印象だ。

 1981年に東大法学部を卒業後、外務省に入省した泉代表の同期には、安倍内閣で内閣官房副長官補と国家安全保障局次長を兼務いた兼原信克(かねはら・のぶかつ)氏がいる。帰国後、兼原氏と台湾有事をテーマに同期対談を企画してみるのも面白いかもしれない。

 あまり体調はすぐれないと仄聞していたが、本会訪台のたびに表敬訪問を受けていただき、改めて感謝申し上げたい。

 折しも、垂秀夫(たるみ・ひでお)駐中国大使も年内に離任すると伝えられ、台湾と中国の大使の同時交替となる模様だ。

—————————————————————————————–日本の駐台代表が退任へ 台湾側窓口トップ「貢献を忘れない」【中央通信社:2023年10月20日】https://japan.focustaiwan.tw/politics/202310200008

 (台北中央社)日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の泉裕泰台北事務所代表(大使に相当)は20日、台北市の同事務所代表公邸で行われた外務大臣表彰の伝達式に出席し、自身が同所で同様の式典を執り行うのは今回が最後だと明かした。台湾の対日窓口機関、台湾日本関係協会の蘇嘉全(そかぜん)会長は、台湾の人々は泉氏の台湾に対する貢献を忘れることなく、ずっと心に留めておくことだろうと語った。

 泉氏は2019年11月1日に台北に着任した。

 この日の伝達式では、台日の経済分野での連携強化を図る「東亜経済協会」(台北市)に表彰状が授与された。

 今年度の外務大臣表彰では台湾から同協会の他、張炳煌(ちょうへいこう)淡江大学中国文学科教授や語言訓練測験センター(台北市)、台南市台日文化友好交流基金会(台南市)が受賞した。

(游凱翔/編集:名切千絵)

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