日本への最大の励ましは台湾がコロナを抑え込むこと  泉 裕泰

 日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰(いずみ・ひろやす)代表は今回の日本からの6万4,000回分のワクチン提供について、きっぱり「日本は見返りを求めていない」と述べた上で「台湾が今後も、引き続き台湾モデルに従い、コロナの感染拡大を抑え込むことができれば、それこそ日本にとっての最大の励まし」と述べています。

 多くの日本人も泉代表と同じ思いを抱いているのではないかと思われます。日米首脳会談やG7でも強調された「台湾海峡の平和と安定」という安全保障の観点からも、台湾がコロナ感染を押さえ込んでいる現状はとても重要ではないかと思います。

—————————————————————————————–台湾が日本に恩返ししたい、泉裕泰代表:防疫成功こそ最大の励まし【台湾国際放送:2021年9月7日】https://jp.rti.org.tw/news/view/id/94074

 日本はこれまで、台湾に新型コロナウイルスワクチンを4回無償提供しており、台湾では「日本に恩返しする方法」が話題となっています。日本の対台湾窓口機関、「日本台湾交流協会」台北事務所の泉裕泰代表はこれに対して、「日本は見返りを求めていない。台湾が引き続き台湾モデルに沿って、コロナの感染拡大を抑え込むことができれば、それこそ日本にとっての最大の励ましだ」と再三強調しました。

 今年6月初旬から、日本は台湾にコロナワクチンを4回、合計およそ340万回分無償提供しており、提供されたワクチンの数は世界で最多です。しかし、日本でもまだまだ新型コロナウイルスが猛威を振るっています。そのため、台湾では「日本に恩返しする方法」が話題となっています。コロナ禍が収束した後に日本へ旅行、日本製商品を爆買する他、日本に医療物資を送るなどが提案されています。

 これに対して、日本台湾交流協会の泉裕泰代表が3日、台湾のメディア、中央通信社のインタビューで、「台湾が自分のやり方でコロナに対抗するだけで、すでに日本にいい影響を与えている。台湾の防疫対策の成功は、日本のメディアでも大きく報道された。台湾が今後も、引き続き台湾モデルに従い、コロナの感染拡大を抑え込むことができれば、それこそ日本にとっての最大の励ましなのだ」と強調し、「日本は台湾がこれからもコロナの感染抑制に成功し、日本の模範で居続けることを願っている」と話しました。

 泉裕泰代表は、台湾が昨年、日本にマスクを寄贈したことにも触れました。昨年、台湾ではマスクを購入するための列ができていたのに、マスクを始めとした重要な防疫物資を日本に寄贈しました。泉裕泰代表は、「まだワクチンのないあの頃、マスクは命を守るための重要な物資だ。日本が困難に直面しているとき、台湾がいつも暖かく援助してくれることを、日本はいつまでも忘れない」と話しました。

 今年の5月中旬に台湾では新型コロナウイルスの感染状況が深刻になっていたころ、台湾では感染の急速な拡大が危惧されていました。しかし、昨年台湾の防疫対策を目にした泉裕泰代表は、台湾は必ず危機を乗り越えられると信じ、そのように周りの人に伝えたら、予想通りに台湾は乗り越えました。今年、感染力の強いコロナの変異株「デルタ株」による感染が急速に拡大していますが、台湾はわずか3ヶ月で、感染拡大を抑え込みました。泉裕泰代表は「これはなかなかできないことだ。世界に自慢すべき奇跡ともいえる」と話しました。

 泉裕泰代表によりますと、蔡英文・総統が今年8月に、日本の「文藝春秋」のインタビューを受けた際に、「政府がコロナに関する情報を公表しているため、フェイクニュースの拡散を抑えることに成功した」と話したことで、泉代表は大きな啓発を受けました。泉裕泰代表は、国が危機に直面している際、政府はさらに情報を公開し、透明性を高める必要がある。これこそ、民主国家のやり方だと強調しました。

(編集:曾輿?/王淑卿)

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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