◆都道府県教育委員会が深める日台関係
日本と台湾の絆は年々深まっています。
自治体同士の「姉妹都市」や「友好交流協定」などの都市間提携、「姉妹鉄道」や「姉妹駅」などの鉄道提携、学校提携の他にも、銀行、議会、湖、山、神社と廟、温泉、動物園、博物館、水族館、弁護士会、医師会、教育委員会、観光局、ゴルフ場、自転車道、マラソン、空港、郵便局、ロープウェイなど広範囲に及んでいます。
なかでも「姉妹校」などの学校提携は小学校から大学まであることからもっとも多く、文部科学省が2025年3月に公表した2023年度に台湾と姉妹校提携を結んでいる高校は308校で、10年ほど前の2014年度の118校の2.6倍にもなっています。
台湾は、オーストラリアの423校、アメリカの316校に次いで3番目に多い提携数です。
台湾との姉妹校提携数が多くなった要因は、2011年の東日本大震災で台湾から250億円にものぼる義援金などの支援により台湾に注目し始めたことと、台湾海峡の安定を重視した安倍総理の安定した長期政権が挙げられますが、都道府県の教育委員会と台湾の22県市と結ぶ教育提携の増加も見逃せません。
特に公立高校の海外修学旅行先は都道府県教委の意向に左右されるところが少なくなく、日本の高校生の海外への修学旅行先を見ますと、2017年度からは台湾がアメリカやオーストラリア、シンガポールを押さえて断トツの1位で、5万3,603人にも及んでいます。
この数字から都道府県教委の意向も推し量られるようで、事実、2014年5月に広島県教育委員会と桃園県教育局(当時)の「教育協定」以降、2025年11月の熊本県教育委員会と台北市教育局による「教育交流に関する覚書」締結まで15件(市教委を含む)に及んでいます。
これらの教育委員会のある自治体は、自治体同士の都市間提携数や学校提携数、高校の海外修学旅行先に台湾が多いという傾向が表れています。
ちなみに、都道府県の教育委員会と台湾の自治体が設ける教育局との提携は以下のとおりです。
・日本と台湾の教育提携 【2025年11月13日現在:15件 日本李登輝友の会調べ】
1)2014年05月22日 広島県教育委員会と桃園県教育局が「教育協定」を締結。
(現、桃園市)2)2015年09月07日 徳島県教育委員会と新竹市教育処が「教育交流協定」を締結。
3)2016年12月19日 東京都教育委員会と台北市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結。
4)2016年12月20日 東京都教育委員会と高雄市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結。
5)2018年09月13日 長野県教育委員会と高雄市教育局が「教育交流協力に関する覚書」を締結。
6)2021年08月31日 青森県教育委員会と台北市教育局が「教育交流協力に関する了解覚書」を締結。
7)2024年01月17日 大分県教育委員会と台北市教育局が「教育覚書(MOU)」を締結。
8)2024年03月29日 宮城県教育委員会と台北市教育局が「教育交流協力に関する了解覚書」を締結。
9)2024年09月10日 河口湖南中学校組合教育委員会と高雄市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結。
10)2024年11月05日 愛媛県教育委員会と台北市教育局が「教育交流協力覚書」を締結。
11)2025年02月21日 大分県教育委員会と新北市教育局が「教育覚書」を締結。
12)2025年03月18日 長野県教育委員会と台北市教育局が「教育交流協力に関する覚書」を締結。
13)2025年03月19日 長野県教育委員会と新北市教育局が「教育交流協力に関する覚書」を締結。
14)2025年08月04日 八王子市教育委員会と高雄市教育局が「教育交流協力についての覚書」を締結。
15)2025年11月13日 熊本県教育委員会と台北市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結。
◆増えてきた都道府県教委と台湾高級中学以下学校国際教育交流聯盟の提携
近年は、台湾の教育部国教署を主務官庁とする外郭団体で、高校以下の教育機関を対象としている「台湾高級中学以下学校国際教育交流聯盟」(略称:台湾国際教育交流聯盟)が積極的に日本の教育委員会と提携するケースが増えています。
昨日(1月20日)、来日した台湾高級中学以下学校国際教育交流聯盟の執行長を兼ねる国立台南家斉高級中学(高校)の陳韻如校長は、熊本県庁において熊本県教育委員会教育長の越猪浩樹(おおい・ひろき)氏と「教育分野の交流・連携に関する覚書」に署名したそうです。
下記に紹介する「Taiwan Today」誌は「『台湾高級中学以下学校国際教育交流聯盟』が日本の自治体と覚書を締結するのは千葉県、宮城県、静岡県に続く4県目」と伝えています。
それぞれの締結日や覚書の名称は下記のとおりです。
・県教委と台湾高級中学以下学校国際教育交流聯盟の教育提携 【2025年12月22日現在:4件 日本李登輝友の会調べ】
1)2024年01月25日 千葉県教委と台湾国際教育交流聯盟 が「教育交流協力に関する覚書」を締結。
2)2024年04月16日 宮城県教委と台湾国際教育交流聯盟が「教育交流協力に関する覚書」を締結。
3)2025年02月19日 静岡県教委と台湾国際教育交流聯盟が「「教育交流に関する協力覚書」を締結。
4)2025年12月22日 熊本県教委と台湾国際教育交流聯盟が「教育分野の交流・連携に関する覚書」を締結。
「台湾高級中等以下学校国際教育交流聯盟」が熊本県と教育分野の交流・連携に関する覚書を締結、千葉・宮城・静岡に続く4県目【Taiwan Today:2025年1月20日】https://jp.taiwantoday.tw/151/280560
台湾と熊本県の高等学校以下の教育機関における国際教育交流を深化させ、教育分野での双方の実務協力を拡大するため、熊本県教育委員会は2025年末に「台湾高級中学以下学校国際教育交流聯盟」(教育部国教署を主務官庁とする外郭団体)を同県に招き、熊本県庁において教育分野の交流・連携に関する覚書(MOU)を締結した。
教育部国民教育署の黄瀞儀主任秘書と台北駐福岡経済文化弁事処経済文化交流組の王鴻鳴組長が立ち会う中、「台湾高級中学以下学校国際教育交流聯盟」執行長を兼ねる国立台南家斉高級中学(高校)の陳韻如校長と熊本県教育委員会教育長の越猪浩樹氏が覚書に署名した。
「台湾高級中学以下学校国際教育交流聯盟」が日本の自治体と覚書を締結するのは千葉県、宮城県、静岡県に続く4県目となった。
台湾の一行は熊本県内の複数の学校を訪問し、実地視察も行った。
近年、TSMC(台湾積体電路製造)の熊本進出に伴い、現地の学校では半導体に特化したコースが開設され、地域の産業と連携したカリキュラムが組まれている。
これは、生徒の専門技術能力を高め、将来の就業に必要な素養を身に着けさせるためであり、教育と産業の連携成果を具体的に示すものだ。
こうした背景を踏まえ、双方は今回の協力を通じて、高校生によるSDGsの環境課題や半導体分野における交流や研究を促進し、国境を越えた共同研究成果の発表を奨励することで、学習に深みを与え、国際的視野の拡大を図りたいと考えている。
2024年と2025年も、台湾と日本の教育交流は活発に行われた。
台湾全土で小中学校約450校が日本の学校と対面交流を実施した。
こうした対面交流に参加した教職員や児童・生徒は延べ約2万5,000人に上った。
また、約200校がオンライン交流を実施。
これにより約1万5,000人の児童・生徒が地理的制約を超えて共同学習に参加した。
そのち熊本県の学校と対面交流を実施した台湾の学校は12校、オンラインでの協力を展開したのは7校に上った。
日本は台湾にとって姉妹校提携数が最も多い国であり、累計で少なくとも290校に達している。
これは、台湾と日本の教育パートナーシップの深さと安定性を示している。
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