本会は台湾産マンゴーを日本にご紹介しはじめてから今年で17年を迎えました。しかし、今年ほど不作の年は経験がありません。
5月1日からご案内してきた台湾産マンゴーは、大雨などの異常気象により激減し、例年同時期の10分の1程度しかないとのことで、輸入元から、日本向けの出荷量も激減することが確実で、このままご案内を続けるとお申し込み者に多大な迷惑がかかるとの説明を受け、やむなくご案内を中止しました。6月24日のことです。
毎年、大量にお申し込みいただいている常連の方はもちろん、多くのお申し込みをお断りせざるを得ず、天候のこととは言え、多大なご迷惑をおかけしました。改めてお詫び申し上げます。
ところが、行政院(内閣)農業委員会農糧署は7月5日、日本の児童や生徒たちに台湾のおいしい果物を食べてもらおうと、台南市産のマンゴーが茨城県笠間(かさま)市内の4校に給食用として提供されるそうです。
これは、茨城県笠間市と農糧署が2019年7月に「食を通じた文化交流と発展的な連携強化に関する覚書」を締結したことによるそうです。
笠間市は2018年8月23日、台北市内に外国人観光客誘客の推進や交流人口の拡大、地域経済の活性化を目指して「台湾交流事務所(日本笠間台湾弁事處)」を開設しています。
ちなみに、台湾における日本の自治体の駐在員事務所は沖縄県与那国町(よなぐにちょう)が日本初で、2007年5月29日に「与那国駐花蓮市連絡事務所」を開設。次に、静岡県が都道府県レベルとしては初となる「ふじのくに静岡県台湾事務所」を2013年4月22日に開設。そして笠間市が3番目に開設しています。
今年もたくさん見かけた台湾産パイナップルですが、スーパーや八百屋でも台湾産マンゴーを見かけない今年、笠間市内の4校でマンゴーが振る舞われるそうで、羨ましさを込めて中央通信社の記事を下記にご紹介します。
また、記事にも出てくる笠間市台湾交流事務所の木下知香所長が日本台湾交流協会の『交流』(2021年11月号)に、事務所を開設したきっかけやその後の活動について寄稿していますので別途ご紹介します。
—————————————————————————————–台南産マンゴー、茨城県笠間市4校の給食に 農糧署「交流深化を」【中央通信社:2022年7月5日】https://japan.focustaiwan.tw/society/202207050006
(台南中央社)南部・台南市産のマンゴーが茨城県笠間市内の4校に給食用として提供される。約2500人分で、7月中旬に到着する見通し。行政院(内閣)農業委員会農糧署の胡忠一(こちゅういち)署長は5日に開かれた記者会見で、台湾と日本の交流深化に期待を示した。
同署は2019年、笠間市と食を通じた文化交流と発展的な連携強化に関する覚書を締結。これまでバナナやパイナップルも給食で提供されてきた。
胡氏は、台湾のマンゴーの生産について紹介したランチョンマットを制作したと紹介。日本の児童や生徒たちに台湾のおいしい果物を食べてもらうだけでなく、台湾の産業や文化についても理解を深めてもらえればと話した。
笠間市台湾交流事務所(日本笠間台湾弁事処)の木下知香所長は、台湾のマンゴーが初めて給食で提供された2020年には1校のみでの実施だったが、今年は4校に増えたとして喜びを示した。また、新型コロナウイルス後には台湾の人々に笠間市を訪れてもらい、美食を堪能してもらいたいとした。
(楊思瑞/編集:楊千慧)
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