示していたことが判明、南支那海の領有権を巡って中国と対立するフィリピン、ベトナム
が相次いで抗議した。
この中国パスポートには、中国でも観光地としてよく知られる台湾の日月潭や清水断崖
の挿画もあり、台湾も昨日になって行政院大陸委員会が「論争を引き起こす挑発的行為
で、両岸の相互信頼を傷つけるものだ」と声明を発表し、「事実に背くもので、これまで
に築かれてきた双方の信頼関係と台湾住民2300万人の感情を傷つけているとして「絶対に
受け入れられない」と強く反発した抗議したと台湾メディアは伝えている。
しかし、これが中国流の陰険なやり方だ。恫喝が効かないとなれば、こっそりやる。尖
閣諸島が中国国内法の領海法(中華人民共和国領海及び接続水域法)で自国領としたのは
1992年2月のことだ。
鄧小平が1978年10月に来日、尖閣諸島を巡って「次の世代は我々より、もっと知恵があ
るだろう。皆が受け入れられるいい解決方法を見出せるだろう」と公言、棚上げ論をぶっ
たにもかかわらず、こっそりと「領海法」に尖閣を組み入れたのだ。
1992年は1972年の「日中共同声明」から20年、そして今年は領海法制定から20年、中国
はこの国内法を根拠として、尖閣諸島沖に海洋監視船と漁業監視船公船を毎日のごとく派
遣して接続水域を航行、示威行動が常態化するようになっている。海上保安庁によれば、
中国の公船は9月11日の尖閣国有化以後、11回も日本領海を侵犯しているそうだ。
こういう「チキンレース」を仕掛けて、日本の息切れを待っている。
恐らくパスポート問題も同様の手口だろう。領海法と同じく、パスポートに南支那海や
台湾という中国の「核心的利益」と称する場所を表示し、いずれ「恫喝」か「嫌がらせ行
為」を頻発させるのだろう。
しかし、このパスポートには尖閣諸島は「中国の領土として明確には描かれていない」
というのだから、海上保安庁の「抵抗」には中国も手を焼いているのかもしれない。日本
は「柔らかい土」になってはならず、海上保安庁の装備体制の見直しや関係法整備が急が
れる。
中国パスポートの地図表記に周辺国抗議
【NHKニュース:2012年11月24日】
動画:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121124/k10013720291000.html
中国がことし5月から発行しているパスポートに印刷された地図などを巡って、南シナ海
の島々などが中国の一部のように描かれているとして、フィリピン、ベトナム、台湾が相
次いで抗議し、波紋が広がっています。
問題になっているのは、中国政府が、ことし5月からデザインを新たにして発行している
パスポートで、ビザのページに地図や観光地の絵が印刷されています。
この地図について、フィリピン政府は今月21日、フィリピンやベトナムなどが中国と領
有権を争っている南シナ海の島々が、中国の一部のように点線で囲われているとして、
「地図は明らかにフィリピン領を含んでいて受け入れられない」と中国政府に抗議しまし
た。
また、ベトナム政府も22日、「ベトナムの主権を著しく侵害するものだ」として中国側
に抗議の文書を送り、地図に描かれた点線を削除するよう求めたことを明らかにしまし
た。
さらに、台湾当局も23日、台湾の観光地が中国の領土のように扱われているとして抗議
する声明を出すなど、波紋が広がっています。
これに対して、中国外務省の報道官は23日、定例会見で、台湾は中国の一部だとしたう
えで、「パスポートの図案は、特定の国を示したものでなく、関係国は理性的な態度で冷
静に対応してほしい」と述べました。
一方、中国が領有権を主張している沖縄県の尖閣諸島について、北京にある日本大使館
は、「中国の領土として明確には描かれていない」としています。