【祝】 熊本市が高雄市と「スタートアップ関連交流促進覚書」を締結

熊本県菊陽町に台湾のTSMC(台湾積体電路製造)が建設していた日本初の工場の開所式が創業者の張忠謀氏や劉徳音会長、齋藤健・経済産業大臣が出席して2月24日に行われた。

TSMCはすでに第二工場の建設も発表しており、熊本はおろか九州全土が熱を帯びている。

さまざまな関連企業も進出してきており、熊本市と高雄市は2月27日、成長が期待されるスタートアップ(新興企業)や中小企業など、双方の将来の地場産業を牽引する企業を積極的に支援するため、「スタートアップ関連での交流促進覚書」を締結した。

熊本市によれば、具体的な協定項目は以下の4つだという。

・両者は、スタートアップ関連での交流促進について協力すること。

・両者は、スタートアップにおける共通の関心事項に関し、定期的かつ有意義な情報交換を行うとともに、相互訪 問を促進し、両者の事業協力を推進すること。

・両者は、スタートアップ関連での交流促進に際し、相手方の実情を相互に尊重し、協力して、双方の利益を促進 すること。

・上記にない項目については、別途協議の上、取り組むこと。

熊本市は、熊本県とともに2013年9月に高雄市と「国際交流促進覚書」を結び、2017年1月にはそれを格上げして正式に「友好交流協定」を結んでいる。

この間、熊本の地場産品等を取り扱った物産展の開催や定期便の就航、マラソン大会への相互参加などの交流を続け、今回の「スタートアップ関連交流促進覚書」の締結に至ったという。

調印式は熊本市内で行われ、大西一史・熊本市長と羅達生・高雄市副市長が臨んだ。

ちなみに、スタートアップを支援する日台間の提携は珍しいが、実は福岡市と台北市が双方の起業支援のため人材や技術を提供することで交流を図ろうという趣旨の「起業支援覚書」を2017年2月に締結している。

これが日台間では初の提携で、熊本市と高雄市の今回の覚書締結は2例目に当たる。

また、今回の覚書締結は、今年1月31日に鹿児島県伊佐(いさ)市と台湾の花蓮市の「友好交流協定」に次ぎ、今年で3件目、1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結からは134件目(本会調査)となる。

心から祝意を表し、下記に「中央通信社」の記事をご紹介したい。


高雄市、熊本市とスタートアップでの交流促進覚書締結 関係深化に期待【中央通信社:2024年2月28日】https://japan.focustaiwan.tw/society/202402280002

(高雄中央社)南部・高雄市と熊本市は27日、スタートアップ(新興企業)関連での交流促進覚書を締結した。

高雄市の羅達生(らたつせい)副市長が同日、熊本市を訪問し、同市の大西一史市長と署名した。

覚書により、双方のスタートアップ間での交流のパイプを構築する。

羅氏は、両市の関係深化にもつながるだろうと期待を示した。

両市は2013年以降、熊本県を含む3者で国際交流促進覚書や友好交流協定を結んでおり、これまで観光や文化、スポーツ、半導体産業などで交流を深めてきた。

大西氏は、高雄と熊本はこれまで多様な協力や交流をしてきたと言及。

今回の覚書締結によって今後、両市の経済協力がさらに活発になり、地域産業に持続性や繁栄をもたらすと信じていると述べた。

高雄市政府行政・国際処は報道資料を通じ、市として今後、覚書を基礎として日本のスタートアップが台湾の起業家ビザを申請するのを支援すると説明。

台湾と日本が共同で両地におけるスタートアップの交流や指導を進めることで、アジア太平洋地域で国や地域をまたいだスタートアップのエコシステムを作り出したいとした。

(蔡孟[女予]/編集:田中宏樹)。

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