8月31日、北海道釧路市と台湾の花蓮市が「友好交流協定」を締結しました。リモートで行われた調印式には、謝長廷・台北駐日経済文化代表処代表がリモートで立会い、釧路市の蝦名大也(えびな・ひろや)市長と花蓮市の魏嘉賢市長が協定書に署名したそうです。
これまで釧路市はカナダやロシアの自治体と都市間提携を結び、釧路港が24時間運用の国際港湾で北海道最大の穀物輸出入港であることから、米国アラスカ州のスワード港や米国ルイジアナ州のニューオーリンズ港と姉妹港を結んでいます。
ただ、東日本大震災が起こった2011年の9月、「台湾と北海道の『友好の印』として、また、釧路市動物園と台北市立動物園の学術交流とタンチョウの繁殖を目的」(釧路市動物園)として番(つがい)の丹頂が釧路市動物園から台北市に無償貸与され、台北市立動物園で育てられていました。今年6月、台湾に渡ってから11年にして初めて待望のヒナが誕生、繁殖に成功したそうです。
釧路市のホームページではまだこの協定締結について報告されていませんが、下記の中央通信社や聯合報の伝えるところによれば、この都市間提携は台北駐日経済文化代表処札幌分処の粘信士・処長が勧めたそうです。
粘信士・処長といえば、本年8月3日に結ばれた北海道白老町(しらおいちょう)と花蓮県秀林郷の「友好交流推進協定」や8月10日に結ばれた北海道浦河町(うらかわちょう)と花蓮県新城郷の「友好交流協定」も仲介しています。
今年はこれまで、千葉県銚子市と桃園市の「友好交流協定」(7月11日)、佐渡市と高雄市の「友好交流覚書」(7月27日)、北海道白老町と花蓮県秀林郷の「友好交流推進協定」(8月3日)、北海道浦河町と花蓮県新城郷の「友好交流協定」(8月10日)の4件が結ばれ、釧路市と花蓮市の「友好交流協定」で5件となりました。
また、本会に調査によりますと、日華断交から7年後の1979年10月10日に青森県大間町と雲林県虎尾鎮が「姉妹町」を締結したことを嚆矢として、釧路市と花蓮市の「友好交流協定」で108件となりました。
日台の姉妹都市や友好交流都市などの都市間提携は、日台交流の深化を示すバロメーターです。心からお祝い申し上げ、両市の交流が末永く続きますよう願っています。
◆台日友好+1 花蓮市、北海道釧路市簽訂友好交流協定[聯合報:8月31日] https://udn.com/news/story/7328/6578706
—————————————————————————————–花蓮市、北海道釧路市と友好交流協定 関係深化へ【中央通信社:2022年9月1日】https://japan.focustaiwan.tw/travel/202209010005
(花蓮中央社)東部・花蓮市公所(役所)は8月31日、北海道釧路市と友好交流協定を締結した。魏嘉賢(ぎかけん)花蓮市長は、都市交流が新型コロナウイルスの影響で止まることはないと述べ、協定締結による双方の関係深化を願った。
調印式はリモート形式で行われ、魏花蓮市長と蝦名大也釧路市長が協定書に署名した。
蝦名市長はあいさつで、花蓮市と釧路市には似ている部分が多いと言及。両市に国際港湾や空港、国家公園などの観光資源がある他、先住民族の文化保護に共に力を入れていることを挙げ、花蓮市と末永い友好関係を築けるよう期待を寄せた。
台湾との交流が盛んな釧路市。釧路市動物園が2011年、タンチョウのつがいを台北市立動物園に無償貸与した他、両市のロータリークラブ同士の交流も行われている。
(張祈/編集:名切千絵)
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