4月27日、北海道安平町(あびらちょう)と台南市安平(アンピン)区が同じ「安平」という地名の縁により「友好交流協定」を締結しました。安平町が海外の都市と都市間協定を交わすのは初めてだそうです。
安平町の及川秀一郎(おいかわ・しゅういちろう)町長と安平区の蕭泰華・区長による調印式はオンラインで行われ、安平町役場では台北駐日経済文化代表処札幌分処の粘信士処長ら11人が立ち会い、安平區公所では黄偉哲・台南市長の名代として姜淋煌・民政局長や区議会議員など数十名が立ち会いました。また、台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表もオンラインで立ち会ったとのことです。
北海道新聞は、交流のきっかけなどについて「2018年に町内のこども園が開いた国際交流事業に招かれた台湾の留学生が、安平区出身だったことが始まり。それ以来、町内の小学生と安平区の安平国民小の子どもたちが手紙をやりとりするなど親交が続いた。今後もさらに交流を深めようと、友好交流協定を結ぶことにした」と報じています。
ちなみに、地名の縁による日台間の都市間提携は少なくなくありません。
高尾山のある東京都八王子市と高雄市の「友好交流都市」(2006年5月)、岐阜県美濃市と高雄市美濃区の「友好交流協定」(2012年11月)、松山市と松山空港のある台北市の「友好交流協定」(2014年10月)、北海道大樹町と高雄市大樹区の「友好交流協定」(2015年9月)、高雄の地名が京都市右京区梅ヶ畑(うめがはた)高雄町に由来することから京都市と高雄市の「高雄協定」(2021年9月)などがあります。
今般の北海道安平町と台南市安平区の「友好交流協定」は、4月7日の土浦市と台南市による「友好交流協定」に続くもので、今年に入って6件目となります。また、1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結以来、120件(本会調査)となります。
心より祝意を表し、下記に安平區公所の「機關新聞」と北海道新聞の記事をご紹介します。
◆臺日相隔3000公里卻異地同名的縁[イ分],臺南市安平區與北海道安平町簽訂友好交流協定 【臺南市安平區公所「機關新聞」:2023年4月27日】 https://www.tainan.gov.tw/News_Content.aspx?n=13371&s=8541254
—————————————————————————————–安平町と台湾・安平区が友好協定 同じ地名が縁 及川町長「交流さらに推進」 【北海道新聞:2023年4月28日】https://www.hokkaido-np.co.jp/article/839069/
【安平】「安平」という同じ地名が縁となり、町は台湾の台南市安平(アンピン)区と友好交流協定を結んだ。2006年の合併で安平町が誕生して以来、海外のまちと協定を交わすのは初めて。交流の一環として今後、及川秀一郎町長らが安平区を訪問する計画だ。
安平区は台湾南部の台南市の中で、海に面し港がある地域。約11平方キロメートルに約6万6千人が暮らす。
安平町とのつながりは、2018年に町内のこども園が開いた国際交流事業に招かれた台湾の留学生が、安平区出身だったことが始まり。それ以来、町内の小学生と安平区の安平国民小の子どもたちが手紙をやりとりするなど親交が続いた。今後もさらに交流を深めようと、友好交流協定を結ぶことにした。
協定書の調印式が27日、両地域をオンラインでつないで行われた。安平町庁舎では、及川町長や台湾の領事館に当たる台北駐日経済文化代表処札幌分処の粘信士処長ら11人が参加。スクリーン越しに自己紹介を済ませ、及川町長が協定書にサインした。
安平区の蕭泰華(しょうたいか)区長は「二つの地域は3千キロ近く離れているが、同じ名前のつながりを持っている。協定の締結によって、教育や文化の分野で(交流の)大きな発展の可能性がある」と期待感を示した。
及川町長は「スクリーン越しではあるがこうして会うことができた。これからも交流をさらに推進できると期待している」と述べた。
今秋にも及川町長らの訪問団が安平区を訪れる予定。町政策推進課は「オンラインを活用した教育現場での交流や観光分野などで、事業を進めていければ」と話している。(本田みなみ)
──────────────────────────────────────※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。