日本の都道府県の教育委員会と台湾の行政院直轄市が「教育協定」などの教育提携をしていることはあまり知られていないようだ。
2月21日、大分県教育委員会と新北市政府教育局は「教育覚書」を締結した。
新北市側は、生徒や教職員らの相互訪問やオンライン学習などに取り組み、教育や文化、産官学での協力のさらなる深化と国境を越えた学習ネットワークを構築いたいそうで、大分県側も「分野横断型の日台の学びの架け橋を築きたい」と抱負を述べている。
今回の大分県教育委員会と新北市政府教育局は「教育覚書」の締結は、2014年5月に広島県教育委員会と桃園県教育局が「教育協定」を締結して以来、すでに9件目となる。
日台間では自治体や学校、鉄道だけではなく、銀行、議会、湖、山、神社と廟、温泉、動物園、博物館、水族館なども提携しており、教育委員会の提携も珍しくない。
日本の都道府県の教育委員会は高校生の海外修学旅行先を決める権限を持つなど、都道府県内の教育に大きな影響力がある。
日本の高校生の修学旅行先で台湾がアメリカやオーストラリア、シンガポールなどと比べて断トツに多い理由は、この教育委員会の提携によるところも大きいようだ。
◇ ◇ ◇
日本と台湾の教育提携【日本李登輝友の会まとめ】
1)2014年05月22日 広島県教育委員会と桃園県教育局が「教育協定」を締結。
2)2015年09月07日 徳島県教育委員会と新竹市教育処が「教育交流協定」を締結。
3)2016年12月19日 東京都教育委員会と台北市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結。
4)2016年12月20日 東京都教育委員会と高雄市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結。
5)2018年09月13日 長野県教育委員会と高雄市教育局が「教育交流協力に関する覚書」を締結。
6)2021年08月31日 青森県教育委員会と台北市教育局が「教育交流協力に関する了解覚書」を締結。
7)2024年01月17日 大分県教育委員会と台北市教育局が「教育覚書(MOU)」を締結。
8)2024年09月10日 河口湖南中学校組合教育委員会と高雄市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結。
9)2025年02月21日 大分県教育委員会と新北市政府教育局が「教育覚書」を締結。
台湾・新北市と大分県が教育覚書締結 生徒の相互訪問など目指す
【中央通信社:2025年2月22日】
https://japan.focustaiwan.tw/column/202502225002
北部・新北市政府教育局は21日、大分県教育委員会と教育覚書を締結した。
新北市政府は、生徒や教職員らの相互訪問やオンライン学習などに取り組む方針で、台日の友好関係を深め、教育交流の新たな節目になるとしている。
覚書は教育局の張明文局長と大分県教育委員会の山田雅文教育長が調印した。
締結の橋渡しをした監察院の范巽緑委員は、国際的な教育協力は異文化理解を促進するだけでなく、視野を広げ、競争力などを強化できると語り、教育や文化、産官学での協力のさらなる深化と国境を越えた学習ネットワークの構築に期待を寄せた。
山田教育長は、大分県と台湾の文化に似ている部分が多いとした上で、貴重な学習と交流の機会として分野横断型の学びの架け橋を築きたいと話した。
(黄旭昇/編集:齊藤啓介)
。
※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。