台湾が3月1日よりコロナ規制を緩和し7日からは海外ビジネス客受け入れも

 よく知られるように、台湾のコロナ抑制は世界最高水準を保っています。コロナ感染が始まって以来の2月24日時点での感染者数は2万236人、死者は852人という少なさです。

 コロナ対策司令塔の「中央感染症指揮センター」は2月24日、3月1日〜31日まで、マスク着用規則を緩和し、在来線や台湾高速鉄道での飲食、スーパーや市場での試食、宴席での乾杯なども再開すると発表しました。

 併せて、3月7日からは、外国人ビジネス客も、視察や投資、契約履行、招聘などのビジネス活動に従事する場合に台湾の在外機関で特別入国許可を申請できるようになると発表しました。

 片や日本は、東京都内の24日の感染確認は1週間前の木曜日より約7,700人少ない1万169人。日本全国では6万1,259人。1日で台湾の感染者総数の3倍にもなっている現状です。

 台湾と見比べますと、緊急事態に対応する憲法措置とその下での法整備、台湾の中央感染症指揮センターのような一元化された司令塔設置など、日本がなすべきことはまだまだ多いという感は否めません。

 すでに台湾の旅行会社大手のライオントラベル(雄獅旅遊)や東南旅行社は、日本行きのフリープラン商品の予約受け付けを相次いで開始しています。

 「世界一の親日国」と言われる台湾が日本の医療的な安全にも寄与しています。安全保障においても、中国の太平洋への進出を防いでいるのは台湾です。台湾が日本の防波堤となっていることに気づかない日本人もいるかもしれませんが、日本にとってこれほど心強いことはありません。

—————————————————————————————–台湾、3/1よりコロナ規制一部緩和 行政院:防疫と経済の共存【台湾国際放送:2022年2月24日】

 台湾の新型コロナウイルス感染症対策本部「中央感染状況指揮センター」はきょう24日、3月1日〜31日まで、マスク着用規則を緩和すると発表しました。室外での運動、写真撮影、車の運転時は同乗者が家族である、または自分以外誰も乗っていない場合に、マスクを外すことができるようになります。

 また、在来線・台湾鉄道(略称:台鉄)や、台湾新幹線こと、台湾高速鉄道(略称:高鉄)などでの飲食、スーパーや市場での試食や宴席での乾杯なども再開されます。

 病院での面会は、台北市、新北市、桃園市と高雄市を除き、すべての県や市で可能となります。

 離島へ赴く際の、空港や港での簡易検査も取りやめます。

 3月7日からは、入国者を対象とした検疫措置を、在宅検疫期間を10日間に短縮します。その後の自主健康管理機関は7日間で、これらの期間中に、PCR検査を2回、簡易検査を5回受ける必要があります。在宅隔離期間も、「10+7」(10日間と7日間)に短縮します。

 指揮センターはまた、外国人ビジネス客に関し、視察、投資、契約履行、招聘などのビジネスに従事する場合、特別入国許可を申請できるようにするとしました。中国、香港、マカオからの入国者は、契約履行、多国籍企業における転勤の場合に、入国申請することができます。

 行政院(日本の内閣に相当)の蘇貞昌・院長(=首相)は、行政院本会議で、台湾の防疫成果は世界一で、経済も堅調なことから、「経済と防疫の共存」という新モデルを打ち立てることができると述べました。ただ、市民の協力を必要とするいくつかの条件があるとし、新型コロナワクチン接種率が高いほど良く、特に高齢者はブースター接種をできるだけ早く行う必要があることや、規制緩和後、感染者が増加する可能性があることは、市民は知っておかなければならないと話しました。

 蘇・行政院長は、各部会や会社などに専門スタッフ「防疫長」を置き、専門的に防疫について管理し、もしも感染者が出た場合、まず専門スタッフから指揮センターに知らせ、接触者の把握、検査を行い、中央から地方、政府から民間と、段階的な仕組みを構築すると話しました。

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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