台湾が日本などを最高水準の「レベル3」に 入境後14日間の在宅検疫を義務付け

 パンデミック(世界的大流行)と化した武漢肺炎(COVID-19)は未だに収束する気配はない。日本でも茨城県と香川県で初の感染者が出るなど、爆発的な感染は見られないものの日に日に増えて約900人の感染者となっている。

 このような日本の感染状況を受け、台湾の「中央感染症指揮センターは3月17日の記者会見で、感染症渡航情報で最高水準の『レベル3』の対象に日本を加えると発表した。これを受け、外交部(外務省)は同日、日本に対する渡航警戒レベルを4段階で最高の  『赤色』(渡航中止と退避勧告)に引き上げると発表した。いずれも19日午前0時から施行される」と中央通信社は報じている。

 ついに来たかという感じだ。

 「レベル3」の対象は日本を含む20カ国と米国の3州で、台湾時間の3月17日午後4時以降の搭乗者は台湾に入境後14日間の在宅検疫が義務付けられる。この在宅検疫期間中は、自宅や宿泊施設からの外出禁止、台湾からの出境禁止(日本へ帰国できなくなる)、公共交通機関の使用も禁止となる。1日2回の自主的な検温も必要となる。

 また、在宅検疫義務に違反して外出した場合、強制的に施設隔離となったり、10万台湾元(約35万円)以上100万台湾元(約350万円)以下という罰金が科される可能性があるという。

 さらに、日本など「レベル3」の対象国には、査証免除(ノービザ)措置を停止する。ただし、特殊な理由がある場合は在外機関でビザを取得すれば入境できるという。

 外交部の「赤色」は、日本への渡航中止と在留台湾人の退避勧告を意味しており、台湾側の危機管理措置はもっとも高いレベルとなった。

 日本台湾交流協会台北事務所は、中央感染症指揮センターが記者会見した3月17日、同時に発表したプレスリリースを日本語に翻訳して即座に掲載した。

—————————————————————————————–新型コロナウイルスに関する注意喚起(台湾当局による日本への海外旅行感染症アドバイスの引き上げについて)【日本台湾交流協会台北事務所:2020年3月17日】https://www.koryu.or.jp/news/?itemid=1556&dispmid=5287

1 3月17日,中央流行疫情指揮中心(中央感染症指揮センター)は,衛生福利部疾病管制署のプレスリリ  ースにおいて,次のとおり発表しました。

(1)日本を含む以下の国・地域に対する海外旅行感染症アドバイスを第三級(三段階のうちの最も高い段   階)の「警告(Warning)」(不要不急の渡航の自粛)に引き上げる。

   アジア:日本,シンガポール,北朝鮮,タイ,マレーシア,フィリピン,インドネシア,ブルネイ,       ベトナム,ラオス,カンボジア,ミャンマー,東ティモール,バングラデシュ,ブータン,       ネパール,スリランカ,インド,モルディブ(計19か国)   東ヨーロッパ:モルドバ   米国:ワシントン,ニューヨーク,カリフォルニア(計3州)

(2)日本を含む上記の国・地域から台湾に入境する旅客(邦人を含む)に対して,台湾時間3月17日16時   以前に搭乗している者は14日間の自主健康管理の強化,同日16時以降に搭乗した者については入境   後14日間の在宅検疫とする。

(3)このほか,米国の3州以外のそのほかの州の海外旅行感染症アドバイスを第二級「警戒(Alert)」に   引き上げる。民衆は現地を訪問する際,防護措置を強化するよう注意し,帰国後14日間,自主健康管   理を実施することとする。

  ・3月17日付け衛生福利部疾病管制署プレスリリース   https://www.cdc.gov.tw/Bulletin/Detail/xV4LAkpWhR9DYeEASDEmNQ?typeid=9

2 この措置により,日本を含む上記第三級の国・地域からの入境者は,台湾において在宅検疫期間中,自  宅や宿泊施設からの外出禁止,台湾からの出境禁止(日本へ帰国できなくなる),公共交通機関の使用  禁止となるほか,在宅検疫義務に違反して外出した場合,法に基づき強制的に施設隔離となったり,10  万台湾元以上100万台湾元以下という高額な罰金が科される可能性があります。

3 つきましては,台湾在住・滞在及び台湾に渡航予定の邦人の皆様におかれては,上記台湾当局による措  置について十分にご注意頂くとともに,台湾への旅行や出張等に関するリスクを踏まえて慎重に検討さ  れるようお願いします。

4 中央感染症指揮センターは,手洗い・咳エチケットの励行,目・鼻・口を手で触らないこと,海外から  帰台する際に発熱,咳等の症状がある場合,空港・港の検疫担当者に通知することを呼びかけるととも  に,帰台後14日以内に疑わしい症状が現れた場合は,無料の伝染病予防ホットライン1922または0800-  001922(中国語・英語)に電話し,その指示に従って,マスク着用の上,医療機関を受診し,渡航歴,  職業,接触歴等を医師に告知するよう促しています。

5 なお,衛生福利部はホームページ上で,台湾における伝染病指定隔離医院リストを掲載していますので  ご参照下さい。

 ・衛生福利部疾病管制署「伝染病指定隔離医院リスト」(中国語)  https://www.cdc.gov.tw/Category/MPage/Hdl9E5pIZIe6ma8HcfAHDw

6 当協会と致しましては,台湾に在住・滞在されている邦人の皆様の状況を迅速に把握したいと考えてお  り,邦人通報用専用電話を設置しております。つきましては,台湾において,万が一,ご家族・お知り  合い等の邦人の方が新型コロナウイルスに感染した,あるいは感染の疑いで医療機関にて検査・隔離さ  れているとの情報がありましたら,下記専用電話にご連絡下さい。

 ・感染・感染疑いに関わる邦人通報用専用電話  (市外局番02)2713-6680   台湾域外からは(地域番号886)2-2713-6680

 なお,上記専用電話は緊急の通報ダイヤルであることから,新型コロナウイルスに関する一般的なご質問,ご相談等については,従来通り,下記の代表電話番号にご連絡願います。

 ・一般的なご質問,ご相談等に関わる連絡先

  日本台湾交流協会台北事務所  電話(代表):(市外局番02)2713-8000     台湾域外からは(地域番号886)-2-2713-8000  FAX:(市外局番02)2713-0975     台湾域外からは(地域番号886)-2-2713-0975   ホームページ:https://www.koryu.or.jp/

 日本台湾交流協会高雄事務所 住所:高雄市苓雅区和平一路87号 南和和平大樓9,10F 電話(代表):(市外局番07)771-4008    台湾域外からは(地域番号886)7-771-4008 FAX:(市外局番07)771-2734    台湾域外からは(地域番号886)7-771-2734  ホームページ:https://www.koryu.or.jp/

 邦人の皆様におかれては,衛生福利部のHP(https://www.cdc.gov.tw)等を参照し,最新情報を収集する等,引き続き感染予防に努めて下さい。

────────────────────────────────────────────※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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