台湾の蔡英文政権の武漢肺炎こと「COVID(コヴィット)19」への厳格な対応が、人々より高い評価を受けています。
中央感染症指揮センターの発表によれば、「感染症渡航情報」は3段階を定め、レベル3(警告:Warning)が警戒の度合いがもっとも高く、レベル2(警戒:Alert)、レベル1(注意:Watch)の順となっていて、3月1日現在の状況は下記のとおりです。
・レベル3=中国、香港、マカオ、韓国、イタリア、イラン・レベル2=日本、シンガポール・レベル1=タイ
◆國際旅遊疫情建議等級表 https://www.cdc.gov.tw/CountryEpidLevel/Index/NlUwZUNvckRWQ09CbDJkRVFjaExjUT09?diseaseId=N6XvFa1YP9CXYdB0kNSA9A
◆衛生福利部疾病管制署 https://www.cdc.gov.tw/
レベル3は、入台後、14日間の外出を禁止し、在宅検疫を義務づけ、毎日の健康状態の報告を求めています。違反した場合、最高で100万台湾元(約363万円)の罰金が科されるそうです。
日本が指定されているレベル2では、入台後、14日間の「自主健康管理」の徹底を求められています。
では、この「自主健康管理」とはどういうことか──。2月24日に中央感染症指揮センターが6項目にわたるプレスリリースを発表していて、それを日本台湾交流協会台北事務所が仮訳して発表しています(「サージカル・マスク」は医療現場もしくは医療用に使用されるマスク)。
(1)手の清潔を維持し,常に手を洗う習慣を保つ。また出来る限り,目,鼻,口を手で直接触らな いよう注意する。手が呼吸器からの分泌物に接触した際には,石けん及び清水で徹底的な揉み洗 いをする。
(2)自主健康管理機期間は,毎日朝晩1回体温を測り,体温と一日の活動を詳細に記録する。
(3)何らの症状が出ていないのであれば,正常に生活することで良いが,公共の場所に出入りする ことは出来る限り控え,外出時には全行程でサージカル・マスクの着用を厳格に遵守する。
(4)もし発熱や呼吸器官の症状,だるさなどが現れた場合には,サージカル・マスクをしっかりと 着用して,速やかに医師の診察を受ける。診察時には,医師に対して,接触,旅行,居住など の記録と,仕事を通じて接触した範囲(中文:職業暴露)及び身近に類似の症状がある者の有 無を主体的に申告する。
(5)発病期間中は家で休養し,サージカル・マスクを着用し外出は避ける。マスクに口や鼻からの 分泌物が付着した場合には,即交換し,分泌物を内側に折りたたんでゴミ箱に捨てる。
(6)発病期間中に他人と会話する時には,サージカル・マスクを着用するほか,可能な限り1メー トル以上の距離を保つ。
ただ、ビジネスや用事、観光などで台湾へ行った場合、武漢肺炎でなくとも風邪などで発熱することはあります。その場合はどうなるか──。かなり厄介な事態に遭遇することになるようです。
日本台湾交流協会台北事務所は3月3日、上記の続報として「台湾を訪問される或いは滞在中の邦人の皆様へ」を発表しています。
発熱が発覚した場合は目的の施設への入場を拒否され、医療機関を受診すれば「新型コロナウイルスの検査を受けることが求められ,検査結果が出るまで外出を許されず,且つ,台湾を出境できない(日本に帰国できない)一方,医療機関から入院は求められないものの,ホテルからは宿泊を断られ,宿泊先の確保が困難となるケース」もあったそうです。
また「仮に陽性であった場合には強制的に隔離され,台湾の検疫施設(注:防疫のために場所は非公表,本人やその家族にも教えられない)に一定期間の滞在を強いられます」と伝えているように、大きなリスクを伴うようです。下記にその全文をご紹介します。
ちなみに、台湾での検温はほとんどの施設で行われていて、たまたま2月下旬から高雄の大学で教鞭を執っている本会役員からは「大学校舎入口、レストラン入口など、毎日、4,5回検温されます」と伝えてきています。
—————————————————————————————–新型コロナウイルスに関する注意喚起(台湾を訪問される或いは滞在中の邦人の皆様へ)【日本台湾交流協会:2020年3月3日】https://www.koryu.or.jp/news/?itemid=1535&dispmid=5287
1.先般お伝えしましたとおり,2月24日より,台湾当局は,日本を含む海外旅行感染症アドバイス 第一級の「注意(Watch)」及び第二級の「警示(Alert)」の国々から入境する旅客に対して, 14日間の自主健康管理措置を求め,1日2回の検温,行動の記録,外出時のマスク着用,公共の場所 に出入りすることは出来る限り控え,また,発熱等の症状が現れた場合にはマスク着用の上,速や かに医師の診察を受けること等を求めています。
<2月24日付け当協会HP(台湾当局による日本を含む地域からの入境者に対する自主健康管理措 置の要請について)> https://www.koryu.or.jp/news/?itemid=1526&dispmid=5287
2.しかしながら,先週末にかけて,日本から台湾に来た日本人旅客の中で,台北市内の観光地等を 訪れた際の体温測定により高熱が発覚し,施設への入場を拒否され,その後医療機関を受診した事 例が複数発生しています。
3.これらの事例においては,発熱等の症状があり,医療機関を受診したところ,新型コロナウイル スの検査を受けることが求められ,検査結果が出るまで外出を許されず,且つ,台湾を出境できな い(日本に帰国できない)一方,医療機関から入院は求められないものの,ホテルからは宿泊を断 られ,宿泊先の確保が困難となるケースもあったようです。 また,検査結果が陰性であれば台湾を出境,日本に帰国することが可能ですが,仮に陽性であっ た場合には強制的に隔離され,台湾の検疫施設(注:防疫のために場所は非公表,本人やその家族 にも教えられない)に一定期間の滞在を強いられます。
4.つきましては,台湾を訪問予定あるいは滞在中の邦人の皆様におかれては,上記の事例を参照し つつ,自主健康管理措置を遵守し,台湾への旅行や出張等に関するリスクを踏まえて慎重に行動さ れるようお願いします。また,台湾滞在中は上記のようなリスクがありますので,常時携帯電話並 びに充電器を携帯し,必要な連絡が取れるようにしておいて下さい。
5.また,2月24日から3月1日にかけて,台湾当局は,衛生福利部疾病管制署のプレスリリースにお いて,韓国(2月24日付),イタリア(2月27日付)及びイラン(3月1日付)に対する海外旅行感染 症アドバイスをそれぞれ第三級(三段階のうちの最も高い段階)の「警告(Warning)」に引き上げ る旨,及び当該国から台湾に入境する外国人に対して14日間の在宅検疫を義務付ける措置を各々翌 日から開始する旨を発表しています。 つきましては,台湾在住及び台湾に渡航予定の邦人の皆様におかれては,今後とも新型コロナウ イルスに関する台湾当局による措置を十分注視し,最新の情報の収集に努めて下さい。
6.中央感染症指揮センターは,手洗い・咳エチケットの励行,目・鼻・口を手で触らないこと,海 外から帰台する際に発熱,咳等の症状がある場合,空港・港の検疫担当者に通知することを呼びか けるとともに,帰台後14日以内に疑わしい症状が現れた場合は,無料の伝染病予防ホットライン1922 または0800-001922(中国語・英語)に電話し,その指示に従って,マスク着用の上,医療機関を受 診し,渡航歴,職業,接触歴等を医師に告知するよう促しています。
7.なお,衛生福利部はホームページ上で,台湾における伝染病指定隔離医院リストを掲載していま すのでご参照下さい。
<衛生福利部疾病管制署「伝染病指定隔離医院リスト」(中国語)> https://www.cdc.gov.tw/Category/MPage/Hdl9E5pIZIe6ma8HcfAHDw
8.当協会と致しましては,台湾に在住・滞在されている邦人の皆様の状況を迅速に把握したいと考 えており,邦人通報用専用電話を設置しております。つきましては,台湾において,万が一,ご家 族・お知り合い等の邦人の方が新型コロナウイルスに感染した,あるいは感染の疑いで医療機関に て検査・隔離されているとの情報がありましたら,下記専用電話にご連絡下さい。
<感染・感染疑いに関わる邦人通報用専用電話> (市外局番02)2713-6680 台湾域外からは(地域番号886)2-2713-6680
なお,上記専用電話は緊急の通報ダイヤルであることから,新型コロナウイルスに関する一般的なご質問,ご相談等については,従来通り,下記の代表電話番号にご連絡願います。
<一般的なご質問,ご相談等に関わる連絡先>
○日本台湾交流協会台北事務所 電話(代表):(市外局番02)2713-8000 *台湾域外からは(地域番号886)-2-2713-8000 FAX:(市外局番02)2713-0975 *台湾域外からは(地域番号886)2-2713-0975 ホームページ:https://www.koryu.or.jp/
○日本台湾交流協会高雄事務所 住所:高雄市苓雅区和平一路87号 南和和平大樓9,10F 電話(代表):(市外局番07)771-4008 *台湾域外からは(地域番号886)7-771-4008 FAX:(市外局番07)771-2734 *台湾域外からは(地域番号886)7-771-2734 ホームページ:https://www.koryu.or.jp/
邦人の皆様におかれては,衛生福利部のHP(https://www.cdc.gov.tw)等を参照し,最新情報を収集する等,引き続き感染予防に努めて下さい。
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