許世楷氏、新駐日代表としての抱負を表明

許世楷氏、新駐日代表としての抱負を表明
日本での最大任務は台湾新憲法への支持を取り付けること

 先に親日・知日派の許世楷・津田塾大学名誉教授が駐日新代表に就任されたこ
とをお伝えしましたが、このほど台北駐日経済文化代表処の機関誌「台湾週報」
が許世楷氏の経歴や、陳唐山外交部長への推薦が資政の彭明敏氏と辜寛敏氏の両
氏によるものだったことなどを伝え、また、駐日代表としての最大任務は日本か
ら新憲法支持を取り付けることと述べたことなどを紹介しています。日本にとっ
ても大変参考になる記事ですので、ここに漢数字を算用数字に直し、西暦の後に
括弧で元号を付記してご紹介します。              (編集部)


次期駐日代表に許世楷氏が内定
日米との安保連携強化し台湾を護る

●新内閣の下に定期異動
 第2期陳水扁総統の就任とともに游錫堃改造内閣が発足し、駐外代表の
人事異動も進められた。その一環として陳唐山・外交部長は5月18日、羅福全・駐
日代表の後任に、建国党主席、台湾独立建国連盟(以下、台独連盟)中央委員等
を歴任し、津田塾大学名誉教授でもある許世楷氏に決定したと発表した。
 4年前、政府に羅福全氏を推薦したのは、台独連盟主席の黄昭堂氏である。黄昭
堂主席は今回の人事異動について「海外駐在要員の異動は政府の任期のルールに
沿って行われている」と語った。4年前、政府から相談を受けた黄昭堂主席は、台
独連盟の主要幹部の一人で、日米での生活経験が豊富な羅福全氏を推薦し、それ
以来4年間、羅代表は日台交流の拡大とレベルアップに大きな貢献をした。したが
って今回の人事異動では、羅福全氏に匹敵する人物が就任してこそ政府が求める
新陳代謝の意義があり、有益と言えるのだが、許世楷氏も日米との関係は深く、
適材適所の人選と言える。

●許世楷氏の背景
 許世楷氏は1934年(昭和9年)、彰化市に生まれ、57年(同32年)に台湾大学
政治学科を卒業したあと日本に留学し、早稲田大学で修士号、東京大学で法学博
士号を修得し、その後、津田塾大学の教授に就任するなど、在日経験は33年に
及ぶ。この間に台湾独立運動に加わり、国民党政権時代のブラックリストに名を
載せられた。当時、日本で王育徳氏(故人)の「台湾青年社」を中心に台湾独立運
動を展開していた黄昭堂氏、金美齢氏らとは同志であり、1989年(平成元年)に
は鄭南榕氏が主宰する月刊『自由時代』が許世楷氏の「台湾共和国憲法草案」を
掲載し、それが発端となって同誌が発禁処分となり、鄭氏が「反乱罪」の容疑で
起訴され、警察官包囲の中で抗議の焼身自殺をするというショッキングな事件が
あった。なお、その年12月の立法委員選挙で鄭氏夫人の葉菊蘭氏が「台湾独立」
を掲げて立候補し当選している。
 また、許世楷氏の家系は彰化の名家で、祖父の許嘉種氏は台湾文化協会(日本
統治時代の台湾人文化団体で、台湾人主体運動を展開)の主要メンバーの一人で
あった。許世楷氏夫人の盧千恵氏の祖父・盧甘氏もかつて台中の名士で、台湾文
化協会の指導者であった林献堂氏の右腕的存在であった。なお盧千恵氏の妹は、
台独理論の第一人者である陳隆志氏の夫人である。
 ブラックリストが消滅し帰国してから台湾文化学院院長、台湾建国党主席に就
任した。4年前に政権が交代したあと、呂秀蓮副総統の要請に応じて「総統府人権
諮問小組」の召集人(委員長)および呂副総統の主宰する「台湾心会」台中分会
会長に就任した。

●日米との安保を強化
 許世楷氏は5月18日、駐日代表就任について同13日に陳唐山・外交部長から電話
で打診があり、陳部長に許氏を推薦したのは総統府資政の彭明敏氏と辜寛敏氏で
あることを明らかにした。
 許氏は今後の課題として「日本で培った人脈を学界、文化界から政界に拡大し
、両国外交のレベルアップを進めたい」と語った。さらに「最重要なのは台湾の
安全である。日米安保条約のなかに『周辺有事』のガイドラインがあり、台湾防
衛には米国だけでなく日本にも責任があることを明確に規定している。1996年(
平成8年)の台湾海峡危機のとき、米国は台湾防衛のため日本の軍事基地を活用す
る必要があった。こうしたことから、日本側に台湾防衛の重要性について理解を
深めてもらうよう努力したい」と表明した。
 さらに許氏は同24日、テレビ局のインタビューを受け、「就任後の最大任務は
台湾新憲法について日本の支持を勝ち取ることであり、学術文化面から台日関係
に入って行きたい」と語った。       《台北『中国時報』5月19・25日》
                    【6月3日付「台湾週報」2145号より】

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