トランプ政権は7月9日、台湾に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を更新するための関連装備を売却することを承認し、議会に通知した。
産経新聞によれば「米政府は息子ブッシュ政権下の2008年に台湾へのPAC3などの売却を議会に通知し、オバマ政権下の10年に輸出を正式決定した。台湾のPAC3配備は当時が初めて」という。
また、台湾の国防部によれば、トランプ政権下での台湾への武器売却は7度目になるそうだ。(中央通信社)
トランプ政権が政権発足後初めて台湾に対し魚雷やSM2艦対空ミサイル部品、早期警戒用レーダーの技術支援など7項目にわたる総額約14億ドル(約1600億円)の武器売却を決めたのは2017年6月。
2018年9月には、F16戦闘機やC130輸送機などの交換部品など3億3000万ドル(約373億円)の売却を決めている。
昨年(2019年)7月には、携帯型地対空ミサイル「スティンガー」250発と、米国が開発した世界最高水準の戦車と言われる「M1A2エイブラムス戦車」108輛など計約22億ドル(約2400億円)の売却を決定し、翌8月には売却総額80億ドル(約8500億円)にものぼるF16V戦闘機66機の売却を決定している。
そして、今年、蔡英文氏の総統就任式当日、トランプ米政権は台湾へ「Mk-48Mod6型高性能重魚雷」とその関連部品など総額1億8000万ドル(約190億円)にのぼる武器売却を決めている。
—————————————————————————————–米国、台湾へのPAC3更新を承認 総額660億円 国防部「感謝」【中央通信社:2020年7月10日】https://japan.cna.com.tw/news/apol/202007100002.aspx
(ワシントン、台北中央社)米国務省は9日、台湾に対して地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を更新する有償軍事援助(FMS)を承認したと発表した。総額は6億2000万米ドル(約663億円)に上る見通し。同日、議会に通知した。国防部(国防省)によれば、トランプ政権下での台湾への武器売却は7度目。同部は米国の決定に感謝を表明した。
売却されるのはPAC3を更新するための期限切れ部品の交換や認証テスト。国防総省傘下の国防安全保障協力局は声明で、武器売却は台湾への武器供与の根拠となる「台湾関係法」に基づいたものだとし、台湾の軍隊の近代化や防衛能力の維持を支援することは米国の国家や経済、安全保障上の利益に合致すると強調。台湾の安全保障を向上させ、地域における政治の安定や軍事的均衡、経済発展の維持を支援するものだと指摘した。
国防部は米国の武器売却承認について、台湾の国防や安全に対する米国の重視を示し、安全保障上におけるパートナー関係を強固にするものであるとの見方を示した。
外交部(外務省)は10日、報道資料で「歓迎の意」を表明。台米の緊密な安全保障パートナー関係を引き続き深化させ、インド太平洋地域の長期的な平和と安定に貢献していくとコメントした。
(江今葉、游凱翔、陳韻聿/編集:名切千絵)
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