【饒舌政治屋】呉敦義・行政院長は「野生の政治動物」

【饒舌政治屋】呉敦義・行政院長は「野生の政治動物」
【饒舌政治屋】呉敦義・行政院長は「野生の政治動物」

                   台湾の声

 9月10日、新しく台湾の行政院長(首相)に就任した呉敦義氏(中国国民党秘
書長兼副主席)はどんな人物なのであろうか。9月10日付の台湾紙「中国時報」
に、同新聞社元社長である王健壮氏が評論を寄せている。

 王氏の論評によると、呉敦義と劉兆玄(前行政院長)はまったくタイプが異な
り、学者肌の劉氏を「技術官僚」、政治畑を歩んできた呉氏を「専業政客」(政
治屋)と表現し、技術官僚は理論や数字を重視するばかりに現実や国民感情を軽
視してきたが、「専業政客」はその逆を行く、と指摘して、馬英九政権の変化を
予言している。

 王氏は、劉氏を「冴えた技術官僚だったとしても、できる政治家にはなれなか
った」と論じる一方で、呉氏については「庶民感覚型の政治屋であり、知識が浅
く、信念が強くなくても、政治動物の特殊本能がある」として、「劉兆玄が人工
養殖された政治動物であるなら、呉敦義は天然野生の政治動物だ」と例えた。

 王氏は「機転がきく」「常識(庶民感覚)」「口のうまさ」が政治ショーを得
意とする政治屋の三大成功要素であり、劉氏にはこれが欠け、呉氏はこれを得意
とするところだとして、呉氏が昨年香港で講演した際に、台中両岸関係を毛沢東
の詩『沁園春・雪』に当てはめて「両岸が此くの如くいと嬌(あでやか)なれば
、無数の英雄を引いて競ひて腰を折らしむ。『大陸反抗』はすでに過去のものと
なり、『台湾解放』は覇道の嫌いがある。『一国二制度』た『統一か独立か』は
台湾海峡に波が立つ」などと語り、最後に「平和がイチバン」と耳に聞こえよく
締めくくるあたりが「小賢い」と評している。

 王氏は、「個人的な政治ショー」であれば上記の3条件で構わないかもしれな
いが、「政府の政治ショー」はさらに知恵、知識、政策のバックボーンが必要で
あると指摘し、呉氏がこの点を理解して過去の習慣を改めなければ、馬英九総統
が「技術官僚」から「専業政客」に代えた結果、「利」より「害」をもたらすこ
とになると警告している。

 呉敦義氏は1948年、台湾南投県生まれ。台湾大学歴史学科を卒業後、中国時報
記者、主筆を務めながら台北市議会議員となり、その後、南投県長、高雄市長、
立法委員(南投県選出)を歴任するなど、台湾の北部、中部、南部で政治経験が
ある。一方、高雄市長時代には特に目立った成績がなく、水質悪化などの深刻な
公害問題を解決できなかったとして評判はよくない。口がうまいことから、“口
撃力”はあるが、それが敵を作ることにもつながり、国民党内にも敵が多いと言
われている。呉敦義氏は劉兆玄・前行政院長に比べると台湾意識があるようで、
今年2月、台湾語がわからない劉兆玄・前行政院長に対し「わからないのなら学
びなさい」と言ったことがある。

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