【馬英九政権】内臓含む米国牛肉輸入解禁で台湾国民大反発

【馬英九政権】内臓含む米国牛肉輸入解禁で台湾国民大反発

         「台湾の声」

台湾の馬英九政権は10月23日、アメリカ産牛肉の台湾への輸入に関して、骨付き
肉の開放だけにとどまらず、狂牛病のリスクが高いミンチ、内臓などの輸入も解
禁する議定書を結んだことを発表した。

十分な国民的議論を経ず、アメリカの圧力に全面譲歩した形となったことに、台
湾の立法委員(国会議員)は与野党ともに大反発。国民党籍のカク龍斌・台北市
長も、台北市内のレストランのアメリカ牛の内臓などの使用を拒否することを呼
びかける行動に出た。

台湾側の交渉機関である行政院衛生署の楊志良署長は24日に「米国側はもともと
生後30か月以上の牛も開放するよう求めていたが、台湾はこの一線は守った。結
果には満足できないが、受け入れるしかない。責任をとれと言うなら責任をとる
し、辞めろというなら辞める」と語った。

野党・民主進歩党(民進党)の蔡英文主席は「アメリカ産牛肉の輸入緩和は、一
人の事務官クラスで決定できるものではなく、政府高層が出てきて説明すべきだ
。下の役人に責任を負わせるべきではない」と指摘し、政策決定を主導した蘇起
・国家安全会議秘書長の辞任を要求し、馬英九総統の謝罪と、台米牛肉交渉のや
り直しを求めた。

蘇起氏は「何も交換条件はない」、「再交渉は不可能」、「議定書の効力は国内
法を上回るので、国内で法改正しても輸入禁止はできない」などと語り、今回の
決定を「韓国並み」と正当化したうえで、議定書の見直しを拒否した。

台湾の報道によると、今回の内臓を含む牛肉輸入解禁は政治的な決定であり、台
米貿易投資枠組み協定(TIFA)の交渉を進めるための取引だったのではない
かと推測されている。

民進党の世論調査でによると82%がアメリカと再交渉すべきと答えた。また、馬
総統に甘い台湾紙「中国時報」の世論調査では、68%が政府はアメリカに譲歩す
べきではないと回答し、さらに交渉力のなさを露呈した馬総統の支持率は47%(
呉敦義新内閣発足時)から33%へと急降下した。


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