そのため、理事長は外務省、専務理事は経済産業省の出身者が就き、駐台湾大使館に相当する日本台湾交流協会台北事務所も代表は外務省、副代表は経産省の出身者が就いている。つまり、外務省のみならず経産省が台湾に及ぼす影響は小さくない。
9月7日、経済産業省出身者でつくっているという「蓬莱会」の西川貞一代表ら14名が高雄市政府を訪問し「同市の産業構造の転換などに向けて市と意見を交わした」という。中央通信社が伝えているので下記に紹介したい。また、高雄市政府も「市政新聞」で3枚の写真とともに伝えているので併せて紹介したい。
蓬莱会は、2011年3月の東日本大震災をきっかけに、台湾との交流促進をはかるために設立されたという。東日本大震災では米国とともに台湾からの支援が突出しており、それも個人の義捐金が少なくなかった。その義捐金は253億円にも達していた。台湾からの真心は経産省官僚をも突き動かしたことになる。これにはいささか驚かされた。
ちなみに、代表の西川貞一氏は通産省から中小企業庁ナンバー2の次長や、全国515の商工会議所を会員とする日本商工会議所の常務理事を歴任している経済界の重鎮だという。
◆日本蓬莱會首度參訪高雄 提供産業發展建言【高雄市政府市政新聞: 9月8日】 https://www.kcg.gov.tw/CityNews_Detail.aspx?n=3A379BB94CA5F12D&sms=E45F85B23802FCDF&ss=BE693928750C0B1C9A7F2794BE31779C3D29BC3B61C1AAD6BD655C6B92BEA522DDE603989C4B2881
————————————————————————————-日本の蓬莱会が高雄市政府を訪問 産業構造転換に向けて意見交換【中央通信社:2018年9月9日】http://japan.cna.com.tw/news/apol/201809090002.aspx写真:高雄市の楊明州副市長(前列、右から3人目)=同市政府提供
(高雄 9日 中央社)経済産業省退官者らでつくる「蓬莱会」が7日、高雄市政府を訪問し、同市の産業構造の転換などに向けて市と意見を交わした。楊明州副市長は、同市に投資する外資に日本企業が占める割合が最大であることに触れ、今後も同会を通じて日本との交流がより緊密になればと期待を寄せた。
同会は2011年の東日本大震災の際、台湾から多大な支援が寄せられたのをきっかけに台湾との交流を促進しようと立ち上げられ、2012年から台湾や日本で経済交流に関する会議を開催している。同市政府によれば、同会が高雄を訪れるのは初めて。一行は意見交換のほか、市内の台湾企業などを視察したという。
(編集:楊千慧)