これに対し、日本台湾交流協会台北事務所の沼田幹夫代表が「私は失望を禁じ得ません」として、「科学的な根拠が示されないまま,こうした輸入規制措置が継続されることは,日本と台湾の友好関係にヒビを入れるものになると思います」というメーッセージを発表した。日本駐台大使館の大使に相当する日本台湾交流協会台北事務所の代表がこのようなメッセージを発表するのは異例だ。下記に沼田代表のメッセージ全文をご紹介したい。
沼田代表が指摘するように、千葉、茨城、栃木、群馬、福島の各県産食品の輸入禁止措置を政治問題化させる今回の中国国民党の行動は残念というほかなく、本会としても、これまで何度か訴えてきたように、台湾には科学的根拠に基づく「冷静な判断」を望みたい。
◆中央通信社:日本食品の輸入規制継続求める国民党 国民投票実施に向け署名活動【7月24日】 http://japan.cna.com.tw/news/apol/201807240006.aspx
————————————————————————————-沼田幹夫当協会台北事務所代表からのメッセージ:日本産食品に対する台湾の輸入規制措置に関する公民投票について【日本台湾交流協会:2018年7月24日】
本日,国民党が日本産食品に対する台湾の輸入規制措置に関する公民投票案の署名集めを開始したとのニュースを聞き,私は失望を禁じ得ません。
私達は,日本国内で流通している安全な食品を台湾の皆様にも食べて頂きたいと望んでいるだけです。これこそが,未だ風評被害に苦しんでいる福島県をはじめとする日本の被災者の方々への支援となると思うからです。
日本人及び日本政府は,台湾の皆様が東日本大震災の際に示してくださった御厚情は決して忘れません。特に,福島を始めとする被災地の人々は,皆様の御厚情に報いるには先ず自分達が復興した元気な姿を皆様にお見せすることだと思っています。被災地の人々は日夜復興に向け頑張ってきました。そうした中で,この問題が政治問題として扱われてしまったことを誠に残念に思います。